研究課題/領域番号 |
17K02715
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
上田 広美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60292992)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クメール語 / 複数動詞文 / 動詞 |
研究実績の概要 |
研究2年目の年度である平成30年度は、本研究が3年間の研究期間内に明らかにしようとする3点のうち、連続中の動詞の語順および共起についてどのような制限があるか、用例の分析を通じて明らかにすることを目的とした。 まず、初年度に決定した収集すべき資料選定の基準に基づき、引き続き資料を収集し、用例の分類を行った。これまでに収集した書記言語の資料を中心としたクメール語資料を試用し、用例を分析した。また、資料の量をさらに増やすために、近年発表された小説や随筆を収集した。それに加えて、場面設定を行った談話資料を作成し、口語用例の収集を試みた。同時に、初年度に引き続き、クメール語、タイ語の複数動詞文に関する先行研究を収集した。 次に、タイの海外共同研究者を研究拠点である大学に招へいし、本研究テーマに関して、執筆中の論文について指導と助言を得た。また、クメール語、タイ語のような孤立語と日本語との対照の観点から講演会を行った。さらに、カンボジアの海外共同研究者の協力を得て、本研究テーマについて、とくに収集したクメール語資料の質に関する指導と助言を得るとともに、新たに日常の語彙を含む口語的なテキストの執筆も依頼して、収集する用例の幅を広げる試みを行った。2年目の研究成果として、初年度に続き、収集した資料からの用例を整理し、分析資料集を作成した。また、連続する動詞の種類と出現頻度およびその環境の調査結果について、クメール語の入門講座において、言語教育への応用を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の年度に予定していたデータの収集と整理、資料集の作成、及び海外研究者の招へいを行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目(最終年度)である平成31年度は、2年目までに収集したクメール語資料をもとに、複数動詞文の用例を分析し、クメール語の複数動詞文の全体像に関する3年間の研究成果を発表することを目的とする。2年目までの研究結果について、カンボジア及びタイの海外共同研究者から、指導と助言を得る。また、カンボジアの海外共同研究者の協力を得て、必要に応じて追加の用例を収集する。 日本国内での研究としては、タイの海外共同研究者を研究拠点である大学に招へいし、研究成果として執筆中の論文の査読を受け、指導と助言を受けるとともに、動詞の対照研究に関する講演会を行う。最終年度の研究成果として、分析資料集を作成し、また、論文を発表するとともに、本研究の研究成果を含めたクメール語学習教材を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金雇用の研究補助者が勤務できない日があり、確定額と見積もりとの差が残った。次年度に謝金として使用予定である。
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