研究課題
平成30年度の本課題の実施状況は,大きく分けて以下の3点にまとめられる.1. リサーチアシスタントを4名雇用し, 以前収集した,大学生協のパソコンカウンターにおけるサービス場面のビデオデータの整理および文字起こしを進めるとともに,新規データとして①日常会話,②少年サッカーの指導場面における相互行為,③マッサージ店における施術者と利用客の相互行為,のビデオデータを収集し,文字起こしを進めた.2. 本課題の研究チームメンバーは,平成30年9月に名古屋大学において研究発表会を行い,これまでの研究成果を報告した.この発表会は,昨年度平成29年12月に行われた第一回研究発表会にて途中経過報告のあった各プロジェクトについて,発表者それぞれに学会発表ができる程度の成果をまとめてくることを課したものであったが,各メンバーとも対象場面における依頼行動の記述・分析が大幅に進み,十分に学会発表ができる成果を報告することができた.この第二回研究発表会の成果をもとに,2019年6月に香港で開催される国際語用論学会(International Pragmatics Conference)にパネル発表の応募を行い,採択された.3. 平成31年3月に,米国コロラド大学のBarbara Fox教授を招聘し,研究の指導・助言を受けた.Fox教授は米国のサービス場面における依頼行動の会話分析研究を精力的に行っている研究者であり,日本のサービス場面における依頼行動を研究するわれわれに多くの知見と示唆に富むアドバイスをいただいた.また,名古屋・大阪にてFox教授を招待講演者としたワークショップを開催し,Fox教授の最新の研究成果の報告を聞く機会を持つとともに,本課題の研究チームメンバーも発表を行い,それぞれの研究成果について活発な意見交換を行った.
2: おおむね順調に進展している
今年度は,研究代表者、連携研究者,研究協力者ともに,それぞれのプロジェクトについて学会発表ができる程度の成果をまとめることができ,来年度に香港で行われる国際語用論学会(International Pragmatics Conference)にてパネル発表に採択された.また,海外研究者を招聘し,貴重な指導・助言を受けることができた.
平成31年度は,6月に香港で開催される国際語用論学会(International Pragmatics Conference)にてパネル発表を行う.同年度内,あるいは次年度の早い時期に国内学会でもパネル発表を行う予定である.それらの学会でのフィードバックをもとに,研究チームメンバーのそれぞれが分析を論文の形にまとめていく.最終的には,書籍の形か学術誌の特別号の形で研究成果を発表する予定である.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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