| 研究課題/領域番号 |
17K02728
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
澤田 達也 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 招へい研究員 (20647599)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 中国語学 / 中国語音韻史 / 辞書史 / データベース / 玉篇 / 佚文 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、字書『玉篇』の佚文資料を収集・分類しデータベースを構築した上で、その音韻体系の解明を目指すことであるが、初年度（平成29年度）の計画としては①既存資料の整理・分類、②既存資料のデータベース作成、③新規資料の調査・収集を設定していた。
このうち、①既存資料の整理・分類については、岡井慎吾1933、馬淵和夫1952のほか約30件の先行研究を参照し、(1)「原本系」(2)「宋本系」(3)「それ以外」の3分類に基づき概ね当初計画通り整理、分類を進めている。特に分類(3)「それ以外」については『永樂大典』所引孫強佚文等、計画③「新規資料の調査・収集」の進捗状況を見ながら再度検討すべき佚文資料が存在することが判明した。
②既存資料のデータベース作成についても現時点で計画通りの進捗状況にある。ただし当初計画では先に「フォーマットの確定」を行い、その後入力を進める予定であったが、実際に作業を始めてみると先行研究の体裁のまま入力する方が作業効率が良いと判断されたため、データ入力を先行させた。そのためデータ入力は計画以上に進んだが、フォーマットの確定については、一部の資料については進んでいるものの現時点で完全な統一には至っていない。
③新規資料の調査・収集については、台湾・台北の故宮博物院附属図書文献館をはじめ国内外数か所の図書館等で資料調査を進めた。故宮博物院では楊守敬旧蔵の『玉篇』関連資料を確認する機会を得る等一定の成果があった。また原本系『玉篇』関連資料のほか、当初計画に盛り込んだ「宋本系」佚文資料の調査についても順次進んだ。ただ宋本系については既存資料とは異なる系統のテキスト発見を目指して調査を進めているものの、現時点で収集された資料は既存資料とほぼ同系統の佚文のみである。これについては、当初計画通り次年度以降も調査を継続する。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度（平成29年度）の当初計画に盛り込んだ内容は概ね従来個人で行ってきた研究の延長であったため、研究方法等に変更がなく作業が進めやすかった。
①既存資料の整理・分類については概ね計画通り進んでいる。
②既存資料のデータベース作成については概要で述べた通り、データ入力は計画以上に進んだが、データフォーマットの確定については完全な完成には至っていない。
③新規資料の調査・収集については概ね計画通りである。
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| 今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き、既存データのデータベース作成を進めるとともに、新規資料について整理、分類及びデータ入力を進め、データベースの充実を図る。また初年度に充分な完成を見なかったデータベースのフォーマット確定を早急に進める必要がある。
そのほか、概要において述べたように、宋本系については、現時点で収集された資料は既存資料とほぼ同系統の佚文のみである。したがって、今後は異なる系統のテキストを探索するため、当初予定より広い範囲での資料調査を進める予定である。
さらに、第二年度（平成30年度）ではデータベース化が完了した既存資料データから順に、中国語中古音体系を参照軸として音韻データの抽出・分析を進める予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
初年度は効率よく、また、経済的に概ね計画通り進んだため、次年度も引き続き主として以下に挙げる理由により使用額が生じた。a)データベースのさらなる充実を図るべく関連資料の入手、購入が必要となるため。b)当初計画に従ってデータベースの入力、データフォーマットの確定、公開方式の検討等を進める予定であり関連作業にかかる諸経費が必要となるため。c)次年度は中国で開催される学会に参加する予定でありその渡航費等が必要となるため。
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