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2017 年度 実施状況報告書

『蒼頡篇』を中心とした秦漢簡牘文字に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02730
研究機関島根大学

研究代表者

福田 哲之  島根大学, 教育学部, 教授 (10208960)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード『蒼頡篇』 / 北京大学蔵西漢竹書 / 劃痕 / 清華大学蔵戦国竹簡 / 字迹
研究実績の概要

本年度は初年度として、学術誌および復旦大学出土文献与古文字研究中心網站・武漢大学簡帛研究中心「簡帛」網・清華大学出土文献研究与保護中心網站などのインターネットに発表されている先行研究の収集・整理を行うとともに、『北京大学蔵西漢竹書(壹)』(以下『北大壹』と略記)の「蒼頡篇 釈文 注釈」とそれに対する諸家の見解とを文字ごとに整理した「蒼頡篇集解」のデータベース作成に着手した。
その過程において、竹簡背面の劃痕にもとづく「蒼頡篇 釈文 注釈」の竹簡配列(綴連)の復原に検討の余地のあることが明らかとなったため、「北大蔵漢簡《蒼頡篇》一覧表」(『北大壹』所収)に示されたデータによる検証作業とそれを踏まえた復原案の作成を先行して行い、その成果を「北大漢簡『蒼頡篇』の編聯復原に関する試論」と題し、第58回漢字学研究会(平成29年11月18日、キャンパスプラザ京都)において発表した。
一方、秦漢簡牘文字の特色を明らかにするためには、比較資料となる戦国簡牘文字の実態把握が重要となることから、北京大学蔵漢簡『蒼頡篇』の分析と並行して清華大学蔵戦国竹簡を中心に検討を加え、「書法様式」と「判別字」という二つの新たな基軸にもとづく字迹(筆跡)の分析と分類を試みた。その成果の一部は、「清華大学蔵戦国竹簡(壹―七)の字迹分類」と題し、中国出土文献研究会公開講演会(平成29年7月16日、大阪大学)において発表した。なおこの字迹分析の方法は、次年度以降の秦漢簡牘文字の分析にも応用していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画である先行研究の収集・整理と「蒼頡篇集解」の作成を進めるとともに、その過程で明らかとなった竹簡の配列(綴連)復原にかかわる問題点について検証と考察を行い、独自の復原案を発表した。
また、秦漢簡牘文字の特色を明らかにするために、当初の計画に加えて戦国簡牘文字の実態把握にかかわる研究を進め、新たな二つの基軸にもとづく清華大学蔵戦国竹簡の字迹の分析と分類を発表した。

今後の研究の推進方策

平成29年度に発表した北京大学蔵西漢竹書『蒼頡篇』(北大本)の綴連にかかわる復原案を踏まえた「蒼頡篇集解」の作成を継続して行い、『蒼頡篇』の構造および字体・用字・語彙の実態を明らかにする。
また「蒼頡篇文字編」作成の一環として、漢簡『蒼頡篇』諸本の文字およびそれと関連する戦国秦漢簡牘文字との比較分析を行う。とくに秦漢簡牘文字の比較資料となる戦国簡牘文字の実態を把握するために、平成29年度に実施した清華大学蔵戦国竹簡の字迹研究を継続して行う。
さらに『蒼頡篇』の釈読においては、秦の正体である秦篆(小篆)との関係が重視されるため、秦始皇刻石や秦印・秦封泥などの金石資料も考察の対象に含め、正体(金石文)と俗体(簡牘文)との関係に留意しながら研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度に購入を予定していた図書が出版されなかったため。次年度の物品費に含め、研究用図書の購入に充てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 清華大学蔵戦国竹簡(壹―七)の字迹分類2017

    • 著者名/発表者名
      福田哲之
    • 学会等名
      中国出土文献研究会公開講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 北大漢簡『蒼頡篇』の編聯復原に関する試論2017

    • 著者名/発表者名
      福田哲之
    • 学会等名
      第58回 漢字学研究会
  • [図書] 清華簡研究2017

    • 著者名/発表者名
      湯浅邦弘編
    • 総ページ数
      412
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      978-4-7629-6599-9 C3022

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公開日: 2018-12-17  

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