研究課題/領域番号 |
17K02733
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
秋山 英治 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40636148)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アクセント / 漢語 / 外来語 / 魚島方言 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定してた地点での調査が中止・延期となったことから、前年度までに調査していた地点についての分析をおこなった。とくに魚島方言について、漢語・外来語に着目して分析したところ、魚島方言の漢語・外来語のアクセントが、和語のアクセントとはまったく別の原理(システム)によって規定されていることが明らかになった。魚島方言では、2拍名詞(和語のアクセント)が1・2・4・5 / 3という、周囲にはない独自の類別体系であるが、漢語・外来語のアクセントは、共通語など他の地域と同じ原理(システム)によって規定されている。これらの結果は、先行研究でいわれている「方言差が激しい和語と異なり、全国的に同じような規則に従うという「仮説」」(松森晶子(2002)「音韻(理論・現代)」『国語学』第211号、 61-72.)を証明する1つの事例であることを示している。 これらの成果については、2本の論文(「愛媛県魚島方言における外来語のアクセント」『愛媛大学法文学部論集 人文学編』第49号、17-50、2020年9月)(「愛媛県魚島方言における2字漢語のアクセント」『人文学論叢』(愛媛大学人文学会)第22号、1-18、2020年12月)として現した。 調査で得られたデータについては、前年度に引き続きデータベース化(「芸予諸島方言アクセントデータベース」)を進めるとともに、一部については上述の論文のなかで公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していた地点での調査を中止・延期せざるをえなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況をふまえ、調査が再開できるようになった時点で調査を再開する。また、これまで調査した地点の結果をもとに、多角的かつ詳細な分析をおこない、研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査ができなかたことから、次年度使用額が生じた。次年度、新型コロナウイルス感染症の影響がなくなり、現地調査を再開できるようになった場合には、現地調査を実施する。
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