研究課題/領域番号 |
17K02733
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
秋山 英治 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40636148)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アクセント / 動詞 / 愛媛県島嶼部 / 魚島方言 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定してた地点での調査が中止・延期となったことから、前年度までに調査していた地点についての分析をおこなった。これまで名詞を中心に分析をおこなっていたことから、動詞に着目して、愛媛県島嶼部方言について分析した。その結果、動詞のアクセントにおいては、「内輪式」と「中輪式」が同じタイプに分類されるということを除いて、2拍名詞と同じ分布になることが明らかになった。また、2拍名詞の類別体系では、<式>の対立のあるアクセントとして、「中央式」「讃岐式」の2タイプが、<式>の対立のないアクセントとして、「内輪式」「中輪式」「新魚島式」の3タイプ、合計5タイプあるのに対して、動詞のアクセントでは、「京阪系タイプ」「東京系タイプ」「魚島タイプ」の3タイプとなり、名詞のアクセントよりも動詞のアクセントのほうがタイプが少ないことが明らかになった。さらに、愛媛県魚島方言の動詞のアクセントを分析したところ、名詞と同じく「文節末核の消失・回避」が起きており、従来の報告から大きく変化していることも明らかになった。 これらの成果については、3本の論文(「愛媛県島嶼部方言における動詞アクセント資料」『愛媛大学法文学部論集 人文学編』第51号、109-137、2021年9月、「愛媛県魚島方言における動詞のアクセント」『人文学論叢』(愛媛大学人文学会)第23号、1-17、20210年12月、「愛媛県島嶼部における動詞のアクセント」『愛媛大学法文学部論集 人文学編』第52号、67-88、2022年2月)としてあらわした。 調査で得られたデータについては、前年度に引き続きデータベース化(「芸予諸島方言アクセントデータベース」)を進めるとともに、一部については上述の論文のなかで公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していた地点での調査を中止・延期せざるをえなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況をふまえ、調査が可能な地点で調査について、調査を再開する。また、これまで調査した地点の結果をもとに、多角的かつ詳細な分析をおこない、研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初の予定通りの現地調査をおこなうことができなかったため、研究の期間を延長した。次年度については、調査が可能な地点での調査旅費として使用するとともに、調査結果について公表するためのホームページの作成の必要として使用する予定である。
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