研究課題/領域番号 |
17K02750
|
研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
伊伏 啓子 北陸大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (40759841)
|
研究分担者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (00388068)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 近代西洋人による中国語研究 / 名詞 / 副詞 / 代名詞 / 漢字 / 量詞 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、近代西洋人によって作成された中国語学習教材をJames Summers, 1863, A Hand Book of the Chinese Language.を一つの区切りとして前後二つに分け、これ以前に出版されたVaro1703, Premare1720, Marshumann1814, Morrison1815, Remusat1822, Edkins1853, Edkins1857, Summers1863等を調査対象とし、特に「漢字、名詞、代名詞、動詞、副詞」の五つの項目について考察を行った。これらの作業は共同研究者2名のほか、研究協力者2名を加えた5名で行い、平成30年10月には世界漢語教育史学会においてパネル発表を行い、『日中語彙研究』(8)においてそれぞれ論文を執筆した。近代西洋人によって作成された中国語教材は、宗派の違いや宣教師が活動した場所の違いに関わらず、後世に継承されていることがわかる。例文や説明方法をそのまま継承している、或いは批判を加えるなど、それぞれの著作にその形跡が見られる。今回の調査から、19世紀中頃はそれまでの研究の成果を継承し、さらに発展させていく重要な転換期となる可能性があることがわかった。 中国語の量詞に関する研究については、昨年度の口頭発表の内容を「19世紀欧文資料に見られる”一個”について」にまとめた。19世紀の教材には不定冠詞と定冠詞の概念を用いて中国語の分析を行っている記述が多く見られ、「一個」或いは「一を省いた量詞」が不定冠詞に当たると明記されていることについて述べた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では18~19世紀の欧文資料(中国語教材)全体について、各品詞項目ごとに考察を行う予定であった。現在18~19世紀前半の資料について調査分析を行っており、品詞項目についてもまだ半分しか着手していない。したがって今年度の研究計画と対照した場合、やや遅れていると言えるだろう。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、James Summers, 1863, A Hand Book of the Chinese Language.を一つの区切りとし、これ以前に出版されたVaro1703, Premare1720, Marshumann1814, Morrison1815, Remusat1822, Edkins1853, Edkins1857, Summers1863等を調査対象とし、「形容詞、前置詞、接続詞、感嘆詞、助詞」の項目で考察を行う予定である。まず、19世紀前半までの9品詞の大まかな記述について整理したい。その後は19世紀後半から20世紀初頭の主要な中国語教材も同様に調査分析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
H30年度は海外(ヨーロッパ)での資料調査を行うことができなかった。またアメリカで開催される予定であった国際学会が急遽日本で開催されることになり、予定されていた旅費を執行することができなかった。本年度はスペインでの資料調査をグループメンバーとともに行う予定である。
|