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2021 年度 実施状況報告書

ミメティックスの文法と獲得:生成文法理論からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17K02752
研究機関南山大学

研究代表者

村杉 恵子 (斎藤恵子)  南山大学, 国際教養学部, 教授 (00239518)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードMimetics / Grammar of Mimetics / Iconicity / Adjectives / Adjectival Verbs / Adjectival Nouns / Innovative words / Binomial Adjectives
研究実績の概要

類型的見地に立ち、言語を理論的に分析するとき、日本語には、言語間の相同と相違を解明するためのヒントが多くみいだされる。その一つに、擬態語や擬情語といったMimeticsと称される表現が、動詞や副詞、形容詞や名詞といった統語範疇として生産的かつ体系的にふるまう事象があげられる。Mimeticsの豊富な言語にはどのような特徴があるのか。なぜMimeticsの豊富な言語とそうではない言語が存在するのか。これを究極的な研究課題として、本プロジェクトは、二種類の形容詞(形容動詞と形容詞)がMimeticsの豊かな膠着言語の特徴を顕在化させる点に着目し、Mimeticsに関わる文法について分析を進めた。
2017年度に始まった本研究プロジェクトは、2018年5月5日カナダ(トロント:York University)の国際ワークショップでの研究発表を皮切りとして、Nanzan Linguistics 14などでの中間報告論文の発表を経て、主としてMimeticsを含む形容詞・形容動詞の統語的・音韻的・形態的特徴を具体的な分析対象とした研究が進められた。プロジェクト発足年度より、名古屋大学准教授秋田喜美氏と私(村杉恵子)は定期的に研究会を行い、また、南山大学言語学研究センターとの共同国際ワークショップを開催することで多くの研究者と交流した。コロナ禍においてもZOOMを用いて研究会や国際ワークショップを開催し、意見を交換してきた。
2022年度には、それらの成果として、Mimeticsを含む形容詞として生産的に創造される要素についての意味的・音韻的・形態的・統語的特徴を抽出し、新たな分析を加え、新造語にも既存の形容詞に関する文法と同質の規則が働くことを示す論文をまとめた。日本語を特徴づけるMimeticsの文法に関する成果が、John Benjamins出版の書籍の一章として発表された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本プロジェクトの初期段階から、コロナ禍においても共同研究会を定期的に開催しその結果が、2022年2月に出版されたことは一定の成果であると思われる。

今後の研究の推進方策

本科研プロジェクトで研究を積み重ねてきたMimeticsの文法と類型的統語的特徴についての研究成果は、新たなプロジェクト(20K00587:代表 村杉恵子)へと組み込まれ、発展し、現在、新たな分析をまとめ、Morphology(国際ジャーナル)での出版をめざしている。

次年度使用額が生じた理由

イギリス (Peter S・ヨーク大学(Peter Sells 教授)、アメリカ・コネチカット大学(Diane Lillo-Martin教授)などとの共同研究を行るために外国旅費や国際ワークショップなどの支出を予定していたが、コロナ禍のため、これらを延期せざるを得なかった。また、インド(GLOW in Asia)に参加を予定していたが、これについては学会の開催が延期された。2022年度以降に共同研究、研究成果の公表を行う予定であり、今年度使用しなかった外国旅費が必要となる。また国際ジャーナルMorphologyに投稿し、査読を受け、掲載が決定された場合には、当該の学術雑誌の規定上、論文掲載のための経費が必要とされる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] アメリカ/University of Connecticut(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      アメリカ/University of Connecticut
  • [国際共同研究] 台湾/Tsing Hua University(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      台湾/Tsing Hua University
  • [国際共同研究] イギリス/York University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      イギリス/York University
  • [国際共同研究] インド/TFL(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      インド/TFL
  • [国際共同研究] イタリア/University of Siena(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      イタリア/University of Siena
  • [雑誌論文] Innovative binomial adjectives in Japanese food descriptions and beyond2022

    • 著者名/発表者名
      Kimi Akita and Keiko Murasugi
    • 雑誌名

      The language of food in Japanese: Cognitve perspecctives and beyond

      巻: 0 ページ: 111-132

    • 査読あり
  • [学会発表] Japanese binomial adjectives.2021

    • 著者名/発表者名
      Keiko Murasugi and Kimi Akita
    • 学会等名
      SLE2021: 54th Annual Meeting of the Scietas Linguistica Europaea
    • 国際学会
  • [備考] 南山大学言語学研究センター 研究プロジェクト

    • URL

      http://www. ic.nanzan-u.ac.jp/LINGUISTICS/project/index.html

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公開日: 2022-12-28  

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