研究実績の概要 |
本研究は英語と日本語に共通に存在する換喩表現(メトニミー、例:夏目漱石を買う)の産出の過程を心理言語学の手法によって比較検証し、バイリンガル話者の言語を司る認知機構の解明に貢献することが目的である。 本年度は本実験を実施し、データ分析などを中心におこなってきた。その他においては、国内外で発表(甲南大学、ベルギー・アントワープ大学、イギリス・マンチェスター・メトロポリタン大学)を積極的に行った。これら発表は、換喩表現の産出において、心的辞書(メンタル・レキシコン)の役割が重要であることをとらえ、第一言語、第二言語での心的辞書の構造に関してが中心である。 また、本研究に関連して、バイリンガルを対象とした実験結果の報告(Rodrigo, L. Tanaka, M. Koizumi, M. (2019) "The role of word order in bilingual speakers’ representation of their two languages: the case of Spanish-Kaqchikel bilinguals." Journal of Cultural Cognitive Science.)と、心理言語学における実験方法を詳細に説明した書籍(Tanaka, M. (2019) 心理言語学における言語産出の実験方法(第6章).『パソコンがあればできる! ことばの実験研究の方法(中谷健太郎編)』、ひつじ書房)も出版した。
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