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2017 年度 実施状況報告書

同時通訳の訳出方略の分析のための柔軟な対訳対応付け手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K02765
研究機関三重短期大学

研究代表者

笠 浩一朗  三重短期大学, その他部局等, 准教授 (40397451)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード同時通訳 / アライメント
研究実績の概要

本年度は、英語から日本語への同時通訳の訳出方略の分析研究に適した対訳対応付けの定義の検討を行った。また、対訳対応閲覧ツールのプロトタイプシステムについて検討した。さらに、定義及び閲覧ツールの検証のため、一部の講演データに対して対訳対応付けを人手で実施した。本研究に関連して、日本通訳翻訳学会の年次大会において共著で発表を行った。
今後も、今年度で実施した同時通訳のための対訳対応付けの定義、及び、対訳対応付けの閲覧ツールに関連した発表を国内外の会議で発表することで、同時通訳研究に取り組む国内外の研究者に情報を発信する。
さらに、今年度の研究成果を発展させることにより、通常の対訳データの対訳対応付けにはない同時通訳データならではの特殊な特徴(文対応が明確でない。同時通訳に特有な言語現象が頻出する。時間情報を手掛かりにできる。分析の目的によって必要な対訳対応が異なる。)に対応した対訳対応付けの手法を開発することが期待できる。
現在、機械翻訳への応用、及び、認知学的知見の獲得などを目的として、同時通訳の訳出方略の科学的分析が盛んに行われている。一方、同時通訳の訳出方略の分析において、同時通訳の対訳データに対して、単語レベルでの対訳対応を付与することは非常に重要であり、対訳対応をもとに得られた知見は少なくない。例えば、同時通訳者の脳の中の翻訳メモリで記憶されている原言語を図る場合にも、単語の対訳対応から推定して算出試みがされている。しかし、これらの研究では、対訳対応を自動で簡単に取れるものに絞る、または、人手により分析に必要な小規模のデータに付与するなどの工夫をして実施しており、大規模なデータに自動的に対訳対応付けする手法の開発は重要な課題である。本研究はその課題に取り組む重要な研究である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、英日の同時通訳の訳出方略の分析研究に適した対訳対応付けをどのように実施すればいいかを検討し、対訳対応付けの定義を行った。また、対訳対応閲覧ツールのプロトタイプシステムについて検討した。さらに、定義及び閲覧ツールの検証のため、一部の講演データに対して対訳対応付けを人手で実施した。
以上のことから、本年度の研究計画どおりに順調に進展している。

今後の研究の推進方策

1年目はほぼ予定どおり研究を推進しており、2年目以降もこのまま計画どおり実施する予定である。
2年目は、同時通訳データへの自動的な対訳対応付け手法を開発し、1年目で作成したデータを学習データとして活用し、評価する予定である。
3年目は、2年目で開発した手法をもとに、残りのデータに対訳対応付けを付与し、人手修正する。自動付与の学習データに使えるデータが増えることで、手法の改良も実施する予定である。さらに、データ作成と並行して、同時通訳の訳出方略の知見獲得に向けた研究を進めていく予定である。
4年目は、3年目で作成したデータをもとに、同時通訳者の訳出方略の分析を行う。自動的な対訳対応付けについては、最終的な手法の評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は、研究者の家庭の事情もあり、予定していた研究調査及び研究発表を実施しなかった。また、データ作成の費用についても、研究者及び研究協力者によって実施することができたため、予定していた費用が発生しなかった。
当該年度で使用しなかった研究費については、国際会議での研究発表、データ作成の費用として次年度で支出する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 同時通訳における語の欠落に関する定量的分析2017

    • 著者名/発表者名
      蔡仲煕、笠浩一朗、松原茂樹
    • 学会等名
      日本通訳翻訳学会

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公開日: 2018-12-17  

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