研究課題/領域番号 |
17K02779
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
青木 博史 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (90315929)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近代語 / 文法化 / 複合動詞 / 丁寧語 / 接続詞 |
研究実績の概要 |
本年度における研究業績は,以下のとおりである。
①共著『文法化・語彙化・構文化』,開拓社,全312ページ,2020年7月。②編著『日本語文法史研究5』,ひつじ書房,全312ページ,2020年11月。③編著『日本語文法史キーワード辞典』,ひつじ書房,全164ページ,2020年12月。④論文「「動詞連用形+動詞」から「動詞連用形+テ+動詞」へ―補助動詞の歴史・再考―」,『日本語文法史研究5』,査読無,青木博史ほか編,ひつじ書房,pp.197-226,2020年11月。⑤論文「日本語使役文の用法と歴史的変化」,『筑紫語学論叢Ⅲ』,査読無,筑紫日本語研究会編,風間書房,pp.1-29,2021年3月。⑥論文(共著)「Verb verb complex predicates in Old and Middle Japanese」『Verb-Verb Complexes in Asian Languages』,Taro Kageyamaほか編,Oxford University Press,pp.44-69,2021年2月。⑦発表「「なので」の成立」第283回筑紫日本語研究会,オンライン,2020年12月26日。
①では,近代語を特徴づける「丁寧語」の歴史について,文法化の観点を交えながら記述した。②③は,最新の日本語文法史研究の成果をまとめたもので,自身も近代語文法の体系・および成立という観点から執筆した(=④)。⑤では,上代から現代までを視座に収め,使役文の用法と歴史について記述した。⑥は,Bjarke Frellesvig氏との共著で複合動詞の歴史についてまとめたもので,自身は近代語を中心に記述した。⑦では,現代語における新しい用法を手がかりに,中古以降の接続詞の歴史の一端について説明を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来であれば本科研の最終年度であった本年度は,著書3冊,論文2編を発表することができ,研究成果としては,当初の計画通りにきわめて順調であった。ただ,新型コロナウィルス感染の影響により,旅費をはじめとし,経費については予定通りに使用することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本科研の研究計画調書を作成した段階で予定していた研究内容は,すべて成果として発表することができた。それらの研究を進める中で新たなテーマが得られたので,今後は,そのテーマについて研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,新型コロナウィルス感染拡大の影響により,学会・研究会での発表に使用するための旅費をはじめとする経費をほとんど使用することができなかった。次年度は,社会状況を見ながら,予定していた旅費は物品費に充てるなど,適切に執行していく。
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