研究課題/領域番号 |
17K02784
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
前田 直子 学習院大学, 文学部, 教授 (30251490)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 条件表現 / 複文 / 日本語教育 / 文法的類義表現 |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究目標は次の2点であったが、いずれも下記の通り実施することができた。(1)異なる意味分野に属する複文形式が同一の文脈に出現する接近的な事例(例:部屋に入ると、上着を脱いだ。←→部屋に入って、上着を脱いだ)を網羅的に採集するために、現代日本語の新書(日常レベルの客観的な文章)の例文調査を行った。(2)時間節と条件節の接近(例:父が帰ってきたら、聞いてみよう←→父が帰ってきた時に、聞いてみよう)を調査するために「たら」節の分析を行った。 またこれらの調査の中間報告として、当初の目標通り、夏季国際学会での研究発表を行った(下記b)。それを含め、本年度は以下のように成果発表を行った。 (a1) 講演:Japon Dili ve Egtimi Uluslararasi Sempozyumu(JADEUS)2018(日本語教育国際シンポジウム)、2018.6.21-22、カイセリ:トルコ (a2) 論文「文法研究・文法教育における新たな視点」ATAY,Aysegul(ed.)Japon Dili Incelemeleri(日本語学諸論究). JDI Serisi Ⅳ. Transnational Press London. pp.1-14 (b)研究発表:ヴェネツィア2018年日本語教育国際研究大会 Venezia ICJLE 2018、2018.8.3-4、ヴェネツィア:イタリア (c)講演:東京外国語大学 2018年度連続講演会 国際日本学がめざすもの:その多面性と可能性(第三回)、2018.11.30 (d) 研究発表:第12回国際日本語教育・日本研究シンポジウム「多言語世界における日本語教育の変遷」、2018-12.8-9、香港 (e)講演:実在の誤用に基づく類義表現研究会 第6回 研究発表会、2019.1.26、日本学生支援機構大阪日本語教育センター
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の予定のとおりに進行したが、研究成果発表については、条件表現を中心にしたものにとどまったため。最終年度となる来年度は、本年度に採集したデータの全体を対象としてまとめることをめざしたい。
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今後の研究の推進方策 |
既に集めたデータのうち、特に時間表現と条件表現との関わりについての分析を深めることを今後の第一の目標とする。現代日本語は時間を表す名詞を形式的に使用した時間表現が発達しており、またその時間的段階も様々に表現し分けているので、そのような時間名詞の分析を進めつつ、これまで蓄積してきた条件表現との関連について丁寧に考察していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助(データ整理・入力)のために雇用していた大学院生のアルバイト時間が変更され、調整がつかなかったため。
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