連用節の意味および機能の相互関係に関する記述的研究

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17K02784
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 日本語学
• 研究機関: 学習院大学
• 研究代表者: 前田 直子 学習院大学, 文学部, 教授 (30251490)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 複文 / 従属節 / 副詞節 / 条件節 / 継起節 / 授受表現 / 可能表現 / 敬語表現

研究成果の概要

これまで、複文の連用節は、その意味的な分類や構造的な特性の研究が中心であり、他の文法項目との関係については、主節に現れる意味的な共起制約・選好や、ボイス（受身・使役）を除いて、積極的には取り上げられてこなかった。しかし、本研究では、主節のみならず従属節に現れる様々な文法カテゴリーとの関連に着目し、中でも他言語に比べて特徴的な日本語の授受表現、可能表現、敬語表現の出現と使用について、コーパスから収集したデータに基づき実証的に分析した。これにより、従属節の意味・分類について、また条件節と可能表現、継起節と授受表現、授受表現と敬語表現の関連について、新たな文法的・意味的・機能的な特徴を記述した。

自由記述の分野

日本語学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は現代語の記述的な文法研究をさらに発展させるものである。本研究は、複文と文法カテゴリーの相互研究として、複文については条件節と継起節、文法カテゴリーについては、授受表現、可能表現、敬語表現を取り上げることとなった。本研究により、これらの複文・文法カテゴリー研究に新たな記述的成果を提示するとともに、文法項目の相互関係を研究することの重要性が示された。また現代語の記述的研究は言語学のみならず、日本語教育への大きな貢献となる。本研究も一部のデータとして非母語話者の産出した日本語を参照し、研究を進めた。本研究の成果が今後、教材や教授資料などとして教育現場で実用的に活用されていくことが期待される。