研究課題/領域番号 |
17K02789
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
齋藤 達哉 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90321546)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 言語政策 / 国語施策史 / 日本語研究史 / 日本語教育史 / 国立国語研究所 |
研究実績の概要 |
2020年度は次のことを実施した。 【1】釘本久春執筆の日本語教科書(ハワイ教育会観光の日系人小学生向け)と、比較対象にする日本の検定教科書(釘本が著者に参加している大阪書籍発行の小学校国語)の両方のコーパスを作成し、比較作業を行った。ただし、後者の日本の小学校国語教科書については、所蔵先がコロナ禍で利用できなかった時期が長く、古書店等で入手できた範囲の限定的なものとなってしまっている。 【2】釘本久春の未発表原稿を含む資料群について所蔵者からの提供を得て調査し、調査用の画像データおよびテキストデータの整備を行った。このことによって、釘本久春執筆の日本語教科書が、日本国内の小学生向け国語教科書と同様の発想で執筆されていたことが推定できる資料が残されていることが判明した。 【3】1949年に国立国語研究所が実施した白河市言語調査の結果と、2019年に本研究の一環として行った言語調査との比較結果について取りまとめた。この成果の公表については、白河市民に向けた展示の準備を完了した。この展示は、白河市言語調査の1949年当時の被験者の再発掘も兼ねたものである。具体的には、白河市立図書館においてポスター形式で展示する予定であり、2020年3月の時点で完成したポスターを白河市立図書館に送付している。しかし、コロナ禍の影響等図書館側の事情によって、開催(掲示)を延期することとなり、会期については3月31日現在未定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度も、2019年度後半以来の新型コロナウィルス感染症の影響により、白河市言語調査の1949年当時の被験者のへのインタ郵便調査やビューが、十分に実施できなかった。調査方法を非対面型(郵便調査・電話インタビュー)に切り替えたが、被験者は高齢化が進んでおり、非対面型ではコミュニケーションが十分に取れなかった。 釘本久春執筆の日本語教科書(ハワイ教育会発行の日系人の小学生向け)と日本の検定教科書(大阪書籍発行の小学校国語)の比較については、後者の日本の小学校の国語教科書の所蔵先がコロナ禍で利用できなかった時期が長く、データは限定的なものとなってしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍は2021年度も続くという前提のもと、まずは2020年度末の時点で得られているデータから分かる範囲で、論文執筆に取り組むこととする。不足しているデータについても、できるかぎり追補していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、図書館での資料調査及びインタビュー調査による出張が未実施であることから、未使用額が生じた。 令和3年度については、不足データの追補を目的とした図書館での資料調査及びインタビュー調査に代わる郵便調査等(通信費)を中心とした残額の使用を計画している。
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