①新方言の生成過程に関する研究:今年度も課題主要テーマである日本語文法史の知見を生かした方言文法研究を進めた。これまで調査を進めてきた鹿児島新方言の「あいづちダカラヨ」「終助詞ケ」「同意要求セン」に加えて新たに「終助詞ダッテ」を調査対象とし、これに関する研究発表を実施した(「鹿児島新方言におけるダッテの文法機能」第283回筑紫日本語研究会,2020年12月26日,オンライン開催)。 また、2021年度には鹿児島国際大学清水基金プロジェクト研究事業の新規採択が内定しており、これまで行ってきた研究をいっそう進展させたい(採択課題「鹿児島方言に生じた新方言の生成過程に関する研究-県内周辺地域の新方言の実態を探る-」)。 ②研究成果の大学教育・社会活動への寄与:上記①の研究で得られた成果は、鹿児島の文化・方言をモチーフとした謎解きイベントを申請者のゼミナール主体で実施することで学生教育や地域貢献に役立てている。今年度は本務校である鹿児島国際大学内にて周遊型謎解きイベント(「101匹ブタちゃん~サークル棟の謎を追え!」,2021年1月27日,鹿児島国際大学坂之上キャンパス)および密室型謎解きイベント(「叡智の森からの脱出」,2021年1月29日,鹿児島国際大学附属図書館)を開催し、大学機関と連携しながら研究成果の社会還元を行った。 ③関連学会・研究会の役職業務:西日本国語国文学会や日本語文法学会、筑紫日本語研究会など関連学会・研究会へ今年度も積極的に参加し(今年度はオンライン開催が主)、言語研究に関する最新の知見を学んだ。また、所属学会役職業務として西日本国語国文学会鹿児島支部委員および日本語検定委員会研究委員を務め日本語検定の問題案に関する提案を原稿として提出した(「サンプル問題の提案-社会の動向をふまえた日本語検定問題改善の一案-」日本語検定員会事務局宛2021年3月7日提出)。
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