研究課題/領域番号 |
17K02808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 智之 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (20241739)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 非定形節 / 否定辞 / 動詞移動 / 節構造 / 不定詞節 / 分詞構文 / 動名詞構文 |
研究成果の概要 |
本研究では、歴史コーパスを用いて非定形節における否定辞の分布について調査し、その歴史的発達を生成文法の理論的枠組みにおいて動詞移動と節構造に関連付けて説明した。不定詞節と分詞構文では動詞が否定辞に先行する語順が後期中英語から観察されるようになるが、この事実はこれらの非定形節において動詞がTに移動していたことを示す。一方、動名詞構文ではそのような語順は観察されない。この違いは不定詞節と分詞構文が完全なCP構造を持ち、動名詞構文が英語史を通じてCP構造を持つことがなかったことに起因すると主張した。
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自由記述の分野 |
英語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、歴史コーパスを用いて調査を行い、これまであまり注目されてこなかった、非定形節における否定辞の分布について調査を行い、その歴史的発達の全体像を明らかにした。その中で特に有意義だったのは、後期中英語から近代英語にかけて、不定詞節と分詞構文において動詞が否定辞に先行する語順が見られるという言語事実の発掘である。また、本研究は生成文法の理論的枠組みに基づいているため、人間の脳内にある言語能力の解明を目指す生成文法のプロジェクトに資するものとなった。
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