本課題研究では、数年に亘り、フルテキストアーカイブECCO(Eighteenth Century Collection Online)上の書簡集2000冊程に目を通しつつ、Be + Ving構文を抽出し続け、前年度までに3割程を終えていた。最終年度となった2022年度もその作業を続け、重複分を除きながらその後の検索と分析に必要な目録作成が可能となる資料作成が11月で一旦完了した。更に1801年以降に出版された書簡集だが手紙自体は18世紀に書かれたものを併せ、そこから5000事例以上のBe + Ving構文をデータ化し考察した。所謂「状態動詞」の範疇に入れられてきた動詞が、その現在分詞の語幹として用いられているBe + Ving構文、並びに「これまで18世紀からの先行研究で言及され確立されてきた誰も異論のない定義に従い、純粋に状態」を表すBe + Ving構文を、コンテクストに照らし、300例以上拾い出した。使われている動詞の種類や割合及び意味機能の点でも現代と大きな差がないことを改めて確認できた。並行して、17世紀後半から現代までの(多様な英語を含む)英語の動詞に関する文献も新たに読み進めた。また、頻度が高かったalwaysなどの副詞で修飾されたBe + Ving構文を270例以上を取り出し分析した。それらは、動作動詞が使われていても、always 付きの陳述はパターンを表しているという形而上的意味を持ち、状態を表す進行形と言えるからである。 これを2023年開催される国際語用論学会(7月:於Belgium・Brussels)、国際認知言語学会(8月:於Germany・Dusseldof)に提出したアブストラクトに纏め、採択された。また、本課題研究の成果の一部を4月の英語史研究会において行った講演内容に含めた。
|