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2020 年度 実施状況報告書

分散形態論の批判的検証:日本語オノマトペの述語化と英語の転換に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 17K02816
研究機関北九州市立大学

研究代表者

漆原 朗子  北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (00264987)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード分散形態論 / 統語論 / オノマトペ / コピュラ / 形容詞 / 形容動詞 / 格
研究実績の概要

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、国内外学会が延期あるいは中止となったり、都道府県をまたぐ出張や海外出張が制限されたりしたため、もっぱら著書・論文等の執筆に取り組んだ。
その結果、研究代表者の漆原は「テアル」構文および主格・属格交替に関する論文を出版した。また、連携研究者の岸本は日本語統語論の学部~大学院向けテキスト(英語)の執筆、名詞に関する論文集の編著および論文を出版、また国際オンライン学会で発表を行った。多田はミニマリスト・プログラムの枠組みで格脱落に関する論文を出版した。
特に、「テアル」構文は相(アスペクト)・態(ヴォイス)などに関して「テイル」構文とよく対比される。この点をより詳細に検証することにより、オノマトペ+「テイル」形式の意味的特性のより本質的な解明につながるものである。とりわけ、オノマトペ+「テアル」形式は非文法的であることから、オノマトペの項構造にも光を当てることが可能となる。
また、名詞修飾に関する岸本の一連の研究は、オノマトペの名詞修飾の場合のコピュラ要素の形態的実現と意味解釈に関する分析(「バラバラな/の組織」など)にも重要な示唆を与えるものである。
さらに、多田が扱う格脱落の現象はオノマトペの述語化とは直接の関連はないものの、オノマトペが軽動詞「スル」と共起する場合や、オノマトペの副詞用法における「ト」の有無(「ブラブラ(と)する」「ブラブラ(と)歩く」など)の考察において、大変参考となる部分が多い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、国内外学会が延期あるいは中止となったり、都道府県をまたぐ出張や海外出張が制限されたりしたことから、研究協力者との対面での打ち合わせや国立国会図書館などでの資料収集が不可能となったため。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの感染状況が依然として改善しない中、課題研究の1年延長も視野に入れて取り組む。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大により、出席あるいは発表を予定していた国内外の学会が延期・中止あるいはオンライン開催となったり、都道府県をまたぐ移動の制限により資料収集を行うことができなくなったりして、旅費支出がなくなったため。
次年度も新型コロナウィルス感染が依然抑えられないため、課題研究そのものを1年延長する可能性を検討している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] "Nominative-Genitive Conversion Across Time and Space: An Overview"2021

    • 著者名/発表者名
      Saeko Urushibara
    • 雑誌名

      『基盤教育センター紀要』

      巻: 第35・36合併号(小林道彦教授退職記念号) ページ: 27-44

  • [学会発表] V-V compounds and adjunct modification in Japanese2020

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kishimoto
    • 学会等名
      The 53rd Annual Meeting of the Societas Linguistica Europaea SLE 2020 (online)
    • 国際学会
  • [図書] 「「テアル構文」とその周辺に関する覚書」『言語研究の楽しさと楽しみ』2021

    • 著者名/発表者名
      漆原 朗子(著)岡部 玲子、矢島 純、窪田 悠介、磯野 達也(編)
    • 総ページ数
      536
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      978-4-7589-2300-2
  • [図書] Analyzing Japanese Syntax2020

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-89476-988-5
  • [図書] 「シンハラ語の名詞修飾節における主語の格標示」『名詞をめぐる諸問題』2020

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹(著)由本 陽子、岸本 秀樹(編)
    • 総ページ数
      316
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      978-4-7589-2290-6
  • [図書] 「シンハラ語の名詞修飾表現」『日本語と世界の言語の名詞修飾表現』2020

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹・Dileep Chandralal (著)プラシャント パルデシ、堀江 薫(編)
    • 総ページ数
      584
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-8234-1036-9
  • [図書] 「二重焦点の格助詞脱落とラベル付けについて」『日本語研究から生成文法理論へ』2020

    • 著者名/発表者名
      多田 浩章(著)斎藤 衛、高橋 大厚、瀧田 健介、髙橋 真彦、村杉 恵子(編)
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      978-4-7589-2288-3

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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