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2021 年度 実施状況報告書

分散形態論の批判的検証:日本語オノマトペの述語化と英語の転換に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 17K02816
研究機関北九州市立大学

研究代表者

漆原 朗子  北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (00264987)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード分散形態論 / 統語論 / オノマトペ / コピュラ / 形容詞 / 形容動詞 / 複雑述語
研究実績の概要

2021年度は研究協力者岸本 秀樹氏の編著書『レキシコン研究の現代的課題』に研究代表者漆原と研究協力者渡辺 明氏も論文を刊行した。具体的には、「サイズ修飾の形態的特性」(渡辺 明)、「補助動詞構文におけるV2の文法化」(岸本 秀樹)、「分散形態論による日本語オノマトペの分析」(漆原 朗子)である。特に、渡辺氏と漆原の論文は本研究補助金による日本英語学会第37回大会ワークショップ(2018年11月)および第38回大会シンポジウム(2019年11月)での発表を発展させたものである。
また、研究協力者多田 浩章氏は自身の編著書『移動現象を巡る諸問題』で「移動のコピー理論と焦点辞の解釈」を刊行した。
漆原論文は本研究課題の中核である日本語オノマトペの述語化と英語の転換のうちの前者をまとめたものであり、今後この分析のさらなる精緻化を目指す。
なお、オノマトペ述語の多くは状態述語であり、漆原の博士論文以来の課題である形容詞類とも密接な関係があるため、2020年度よりやはり生成文法の研究課題の一つである主格・属格交替の分析も開始した。その中で、日本英語学会第14回国際春季フォーラムでの論文"What Does Azeri Suggest for Refining Conditions on Genitive Subject Licensing?"(Xiao-Shi Qiu・Hideki Maki (岐阜大学))へのコメントを契機に牧氏と当該課題に関する意見交換を開始した。
その結果、牧氏、Lina Bao氏(Qiannan Normal University for Nationalities)との共著論文"What Do Mongolian Case-Marked Clauses Suggest?"が日本英語学会第15回国際春季フォーラム(2022年5月14日・15日)に採択された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

引き続く新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、2020年度に続き、全国の大学のほとんどでオンライン授業(ライブ・オンデマンド等)の実施を余儀なくされたため、研究代表者、研究協力者ともに動画コンテンツの作成に膨大な時間を割くこととなった。その結果、研究時間が激減した。また、学会等もほとんどオンライン開催となったことに加え、多くの大学では都道府県をまたぐ移動の自粛要請が行われたことから、研究打合せ等もままならなかった。
さらに、2021年度は研究代表者が日本英語学会大会運営委員長を務めており、第15回国際春季フォーラム(2021年5月8日・9日)および第39回大会(2021年11月13日・14日)オンライン開催に向けて膨大な時間と労力を費やした。加えて、私的にも父の死去(2021年4月27日)・右手尺骨骨折(2021年月18日)が重なり、研究遂行に支障をきたした。

今後の研究の推進方策

2022年度も新型コロナウィルス感染防止対策は取られているものの、状況はやや改善してきており、多くの大学で対面授業が再開されている。また、教員の移動に対する制限も緩和されつつある。
そこで、今年度は必要であればZoomなどによるオンラインによる研究打合せを含め、より密に研究打合せを行い、研究を推進したい。
特に、本研究課題の中核である日本語オノマトペの述語化と英語の転換のうち、前者については当初の目標に一定程度達成することができたが、後者についてはまだ研究中なので、今年度中にまとめることを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

引き続く新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、2020年度に続き、全国の大学のほとんどでオンライン授業(ライブ・オンデマンド等)の実施を余儀なくされたため、研究代表者、研究協力者ともに動画コンテンツの作成に膨大な時間を割くこととなった。その結果、研究時間が激減した。また、学会等もほとんどオンライン開催となったことに加え、多くの大学では都道府県をまたぐ移動の自粛要請が行われたことから、研究打合せ等もままならなかった。
さらに、2021年度は研究代表者が日本英語学会大会運営委員長を務めており、第15回国際春季フォーラム(2021年5月8日・9日)および第39回大会(2021年11月13日・14日)オンライン開催に向けて膨大な時間と労力を費やした。加えて、私的にも父の死去(2021年4月27日)・右手尺骨骨折(2021年月18日)が重なり、研究遂行に支障をきたした。
今年度も引き続き新型コロナウィルス感染拡大防止対策が取られているものの、移動に対する制限などは緩和されてきているので、2020年度、2021年度にできなかった研究打合せなどをより精力的に行う予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 分散形態論による日本語オノマトペの分析2021

    • 著者名/発表者名
      漆原 朗子
    • 雑誌名

      岸本 秀樹(編)『レキシコン研究の現代的課題』くろしお出版

      巻: 1 ページ: pp. 205-232

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ECM subjects in Japanese.2021

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kishimoto
    • 雑誌名

      Journal of East Asian Linguistics

      巻: 30(3) ページ: pp. 231-276

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 補助動詞構文のV2における文法化:脱範疇化と融合2021

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹
    • 雑誌名

      岸本 秀樹(編)『レキシコン研究の現代的課題』くろしお出版

      巻: 1 ページ: pp. 135-160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 統語論と形態論のインターフェイス2021

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹
    • 雑誌名

      中村 浩一郎(編)『統語論と他の分野とのインターフェイス』.開拓社

      巻: 1 ページ: pp. 45-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 移動のコピー理論と焦点辞の解釈2021

    • 著者名/発表者名
      多田 浩章
    • 雑誌名

      高野祐二・岡俊房・浦啓之・多田浩章(編著)『移動現象を巡る諸問題』開拓社

      巻: 2 ページ: pp. 211-259

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サイズ修飾の形態特性2021

    • 著者名/発表者名
      渡辺 明
    • 雑誌名

      岸本 秀樹(編)『レキシコン研究の現代的課題』くろしお出版

      巻: 1 ページ: pp. 107-133

    • 査読あり
  • [学会発表] 「青い目をしている」構文の意味と統語構造について」2021

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹
    • 学会等名
      日本語文法学会22回大会 ワークショップ「「する」構文の核と周縁」
  • [学会発表] The syntactic forms of secondary predicates: A view from Japanese2021

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kishimoto
    • 学会等名
      The International Workshop on Secondary Predication 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] Indeterminate Complex Numerals2021

    • 著者名/発表者名
      Akira Watanabe
    • 学会等名
      日本英文学会北海道支部第66回大会シンポジアム「不定語研究の展開と展望」
    • 招待講演
  • [図書] レキシコン研究の現代的課題2021

    • 著者名/発表者名
      岸本 秀樹(編著)
    • 総ページ数
      233+v
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      978-4874248607
  • [図書] 移動現象を巡る諸問題2021

    • 著者名/発表者名
      高野祐二・岡俊房・浦啓之・多田浩章(編著)
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      4758914028

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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