研究課題/領域番号 |
17K02822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
小倉 美知子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20128622)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Old English / Middle English / Latin / glosses / syntax |
研究成果の概要 |
本研究は、英語の初期の段階において、ラテン語の文献が主体であったことから、その影響が英語統語法の中に見られるか否かを、古英語・中英語の文献を通じて探るものであった。古英語では形態的に失われた変化形を、助動詞等を用いての迂言用法によって補い、接続法の形態と共に迂言形を多く用いることによって独自の統語法を生み出し、それを中英語期に伝えていくことにより、元来持ってはいなかった中間態の機能を非人称構文と再帰構文に代行させて、中世を過ぎた近代英語の初期までも、その形態を持続させていた。ラテン語原典に必ずしも従わず、独自の統語法を発展させたことは、古英語後期から中英語初期の文献から例証できたと信ずる。
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自由記述の分野 |
中世英語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古英語の研究が直接、現代の人々に役立つか、と思われるかもしれないが、やさしく書かれた英語史が間違った情報を与えているのが現実であるとき、実際は語史において何が起こっていたのかを知ることこそ重要である。この研究を行った者が、2013-2019年国際英語正教授学会の国際実行委員を務めて古英語のセッションを任されたこと、次の2022年の大会のアドバイザーを頼まれたことは、international に何らかの意義を持つのではないか。また、その研究がトロント大学の古英語辞書、オックスフォード辞典の一部にも引用されていることは、何らかの学術的意義を持つのではないか。
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