研究課題/領域番号 |
17K02830
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
澤田 治美 関西外国語大学, 国際文化研究所, 研究員 (20020117)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | モダリティ / 心的態度 / 語用論 / 意味論 / 助動詞 |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は、英語の(疑似)法助動詞が表すモダリティの特質を明らかにすることにあるが、本年度は、モダリティ、視点、話し手の捉え方、といった概念に基づいて、文(もしくは、節)の意味解釈について研究し、以下の成果につなげることができた。
(1) 澤田治美(2023)「For不定詞節の意味的特質と認識性制約」『英文学研究 支部統合号』15: 169-175. (2) 澤田治美(2023)(印刷中)「心的反応性と志向性の間――想念的モダライザーの意味解釈――」『ことばの謎に挑む――高見健一教授に捧げる論文集――』217-226.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のために、これまで毎年2回開催されてきた「モダリティワークショップ」が対面で開催できなかったのは残念であるが、今年度に研究を進めた「For不定詞節の意味的特質と認識性制約」や「心的反応性と志向性の間」といった論文はモダリティの研究にとって有益であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、これまでの研究成果を理論的に再検討すると共に、データを追加し、各テーマの相互関係を明確にして、『視点・捉え方と多義性』(仮題)と題して出版する予定である。さらに、「「語りのwhen節」と心理的インパクト 」、「依存的モダリティの意味解釈」、「事物比較と命題比較の間:否定比較文の多義性」、「実現と発生の間」などの諸論文の出版を準備中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、コロナ禍のために、海外から意味論・語用論の著名な研究者を招聘することができなかった。また、従来のように、年に2回開催している「モダリティワークショップ」を開催することができず、そのため、年に2回発行している『モダリティワークショップ――モダリティに関する意味論的・語用論的研究――発表論文集』を発行することも不可能であった(この論文集は、現在、第16巻まで発行されている)。さらに、国内の移動も自粛したため、国内旅費を使えなかった。以上の理由により、今年度の科研費を次年度に繰り越さざるをえなかった。次年度は、「モダリティワークショップ」を2回開催すると同時に、『モダリティワークショップ――モダリティに関する意味論的・語用論的研究――発表論文集』を発行する予定である。
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