• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

英語音声変化が生じる発話環境の解明と音声変化習得データベースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K02834
研究機関岩手県立大学宮古短期大学部

研究代表者

神谷 厚徳  岩手県立大学宮古短期大学部, その他部局等, 教授 (60511160)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード同化 / 連結 / 脱落 / 教材分析 / 音声実験
研究実績の概要

平成30年度は、国内および国外で入手可能な英語音声学教材に頻出する同化・連結・脱落について考察し、日本人英語学習者が優先的に習得すべき、代表的な音声変化(同化・連結・脱落)を明らかにした。まず同化の考察では、good、that、this、tenなど、初学者にとっても平易な単語で始まる単語間で同化が頻出することを明らかにした。また、did you、have to、meet you、miss you、would you、of courseなどは、ほぼ全ての教材で記載が確認されたことから、日本人英語学習者はこれらの同化を、定型句として習得するべきであると論じてきた。連結の考察では、ほぼ全ての教材で、r連結とn連結が中心に記載されており、このことからも、r連結とn連結が特に重要な連結であると論じてきた。特に、日本語の語末の「ン」は[n]ではなく口蓋垂鼻音の[N]であるため、日本人英語学習者はn連結に注意する必要性があることを説いてきた。そして脱落の考察では、母音と子音の脱落が考えられるが、本調査では子音の脱落が圧倒的多数であり、母音以上に子音の脱落に慣れることが重要であることを論じた。また、母音の脱落は全てが弱母音であり、子音の脱落は閉鎖音(特に[t])の記載が中心であったことから、これらを重点的に学習することが重要であると論じてきた。
さらに平成30年度では、上記の調査で明らかにした、同化、連結、脱落のそれぞれ上位の例を実験材料として、英語母語話者への音声実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成30年度では、英語音声学教材に記載されている音声変化(同化・連結・脱落)の上位の例を実験材料として、英語母語話者への音声実験を実施した。数名の英語母語話者を対象としたパイロットスタディでは非常に興味深い結果が得られている。しかし平成30年度内に、統計分析に必要と思われる被験者数(30名以上)に達することができず、データを考察するには至っていない。この理由は、当方の移籍のため、予定していた海外での音声データ収集が叶わなくなったことが挙げられる。

今後の研究の推進方策

今後は、できる限り多くの英語母語話者に実験協力を仰ぎ、実験データを分析・考察する。実験結果については、国内外の学会で発表、論文投稿などを通して発信していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた海外での音声データ収集が、当方の移籍に伴い実施することが叶わなかった。その結果、予定していた旅費、英語母語話者への謝金などが計上されていないことが理由である。なお、これらは平成31年度に実施するため、経費は繰り越す予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 英語音声学教材に頻出する同化・連結・脱落について2018

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 雑誌名

      日本英語音声学会中部支部学術論文集

      巻: 7 ページ: 71-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語音声変化の諸相:英語文献にみられる同化・連結・脱落について2018

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 雑誌名

      英語音声学

      巻: 23 ページ: 71-81

    • 査読あり
  • [学会発表] 英語音声変化の使用頻度に関する一考察2018

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 学会等名
      日本英語音声学会中部支部研究大会
  • [学会発表] 英語音声変化の諸相2018

    • 著者名/発表者名
      神谷厚徳
    • 学会等名
      日本英語音声学会全国大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi