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2019 年度 実績報告書

日本語分析における意味特徴の分析と明示的説明を支える対比技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02850
研究機関信州大学

研究代表者

坂口 和寛  信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (70303485)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード類義語 / 意味分析 / 対比 / 日本語分析ストラテジー / 日本語母語話者
研究実績の概要

本年度は、前年度までの類義動詞対「疲れる/くたびれる」の意味説明記述の分析に加え、類義名詞対「準備/用意」の意味分析も対象として、日本語教育経験のない日本語母語話者による類義語分析とそこでの対比行動の特徴を探った。人文科学系の日本人大学生40名に調査を行って収集した「準備/用意」の意味説明記述は、「疲れる/くたびれる」の場合と同様に、例文とその分析を行わない形での類義語対の意味特徴分析とした。得られた意味記述データをテキストマイニングの手法によって分析し、記述から抽出できた語句をもとに、対比的な意味分析を明示する語句を特定した。特に、比較を表す格助詞「より」と助詞相当句などの表現形式「のほうが」「~のに対して」、接続表現「対して」「それに対して」「一方」を対比的分析行動の明示的な言語マーカーとし、それらを手がかりに対比的分析が行われている部分を特定して特徴を探った。さらに、言語マーカー使用がないものの、一文単位を超えた形で類義語対を対比し特徴を探っている分析部分にも焦点を当て、対比的分析の特徴を探った。このうち、明示的な言語マーカーを伴った対比的分析では、ある特定の観点で類義語対を同時に比較し特徴づけられている。特に、類義語対の相違点や差異を明確化し、コントラストを際立たせて特徴づけようとするものである。「疲れる/くたびれる」での疲労度や「準備/用意」での時間的長さなどの程度差が特に焦点化されやすい。ただし、コントラストを際立たせることを重視する結果、対比の容易な観点が選択されやすく、分析自体の正確さや妥当性の点で問題を抱えうる。一方、明示的マーカーがなく文を超えた形での対比では、特定の分析観点による制約や縛りが緩やかとなり、個々の類義語が有する特徴を説明する手続きとなる傾向が強いことが指摘できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 日本語母語話者が類義語分析において行う対比とその特徴2020

    • 著者名/発表者名
      坂口和寛
    • 雑誌名

      信州大学人文科学論集

      巻: 第7号第2冊 ページ: 217-228

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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