研究課題/領域番号 |
17K02851
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
金 孝卿 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (30467063)
|
研究分担者 |
舘岡 洋子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (10338759)
池田 玲子 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 教授 (70313393)
近藤 彩 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90377135)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ケース学習 / 外国人社員 / ビジネスコミュニケーション / 協働的な職場環境 / 社外での学びの場 / 異業種協働型 / 研修開発 |
研究実績の概要 |
まず、プロジェクト2年目に当たる平成30年度は、前年度に収集したデータの分析を進め、研究課題(2)から(4)の遂行として、外国人社員のための研修を実施し、参加者の行動や意識の変容、研修に関するニーズを把握した。具体的に、関西経済連合会の協力のもとで元留学生社会人交流会において、2年間を通して行ったケース学習の実践を取り上げ、背景の異なる参加者の声を横断的に捉え、企業と大学の協働による学びの場の構築を検討し実践報告としてその成果をまとめた。また、同研修に継続的に参加した外国人社員と人事担当者へのインタビューを行い、参加者の発達的な変化を明らかにするとともに、所属社員への評価観点を収集した。この分析結果をまとめて学会発表を行う予定である。 次に、企業側への発信として、『2018関経連労働情報月報』の連載にて、これまでのケース学習の実践の成果と意義をまとめ企業関係者への発信を行い、本研究開発の社会的な意義への理解を図った。さらに、企業のみならず、看護など外国人人材のための労働環境の改善を要するフィールドに対象を広げて研究を行い、インドネシア(バンドン、インドネシア教育大学)で開催したセミナーで研究発表およびワークショップなどを行った。このセミナーは「看護と介護の日本語教育研究会」との協働により実現したものである。 最後に、研究成果の波及として、国内大学でのオンラインによるケース学習の実践を行い、協働実践研究会においては教師向けの「ピアラーニング入門講座」を実施した。さらに、海外の大学(フランス、国立レンヌ第一大学)での講演及びケース学習体験ワークショップなどを実施し、教育現場での実践への応用を図った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた外国人社員と企業関係者が参加するケース学習の実践、および、継続参加者と彼らの所属する企業の担当者へのインタビューを実施し、参加者自身の内的変化(省察、発見、動機付け等)とその環境要因を把握できた。前者は、分析結果をもとに実践報告としてまとめた。後者は今年度中に学会発表を予定している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究実績を踏まえ、外国人社員の社内と社外での学びの場をつなぐとともに、協働的な職場環境をつくるための研修開発を行い、研究課題(5)外国人雇用や定着支援に資する研修開発につなげる。具体的には、①企業内研修および企業横断研修を実施し、両方をつなぐ研修を開発する。②地域において協働的な職場環境をつくる研修の開発に向けた場を構築する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、企業向けのセミナーにて参加者より研究協力の同意が得られたため、インタビューの謝金が発生しなかった。一方、企業のみならず、看護など外国人人材のための労働環境の改善を要するフィールドに対象を広げて研究を行い、インドネシア(バンドン)で開催したセミナーで研究発表を行ったため、旅費の支出が増えた。次年度も、地域でのシンポジウムや海外での研修を予定しており、インタビュー謝金のほかに、出張費が発生する見込みである。
|