研究課題/領域番号 |
17K02868
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
向山 陽子 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (80619817)
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研究分担者 |
村澤 慶昭 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (30515044)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 外国人材育成 / ビジネス日本語教育 / タスク理論 / 教育用タスク / ロールプレイ |
研究実績の概要 |
1.留学生向けのビジネス日本語教育用教材を作成するための基礎資料として、大学、大学院を卒業後に日本国内で就職した留学生に対して半構造化インタビューを実施した。インタビューで得られた回答を分析し、業種や職種が異なっても共通して行っているタスクと、職種によって異なるタスクを抽出し、カテゴリー化した。その結果をまとめたものを、今夏行われる日本語教育国際研究大会で発表する予定である。 2.音声教材を作成する基礎として、1で収集したインタビューの音声データを音声学的観点から分析した。その結果を研究発表するとともに、論文化して出版した。 3.インタビューから抽出されたタスクを基に様々な教育用タスクを作成し、教育実践を行った。そして、それに対する学生の反応、評価を調査し、データの分析結果をビジネス日本語研究会で発表した。 4.3で作成した教育用タスクのいくつかを教材としてまとめ、台湾の大学でのビジネス日本語教育の集中講義の実践に使用した。そして、教材を使用して行った指導の効果と教材に対する学生の評価を調査した。その結果をまとめたものを論文化し出版した。 5.日本語教育におけるビジネス日本語教材作成方法、考え方をビジネス中国語教育に応用することを目的とした孔子学院主催講演会で、本研究の概要を発表した。タスク理論を踏まえたビジネス日本語教育用教材とはどういうものなのか、どのような方法で作成しているのか、どのように教育の効果を測定しているのかといったことについて説明し、中国語教育関係者と意見交換した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.当初の計画通り、日本企業で働く元留学生に対するインタビューを行い、そこから彼らが実際に日本語を使用して行っているタスクを抽出した。 2.その結果を基に多様な教育用タスクを作成し、複数の現場で教育実践を行った。 3.データの分析から明らかになったこと、教育実践から明らかになったことをまとめた研究を、口頭発表、論文出版という形で外部に公表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究について、次のような計画で推進していく。 1.インタビューデータの分析から明らかになったこと(外国人社員が職場で日本語を使用して行っているタスク)をさらに量的に検証するため、質問紙調査を実施する。30年度前半に質問紙を完成させ、年度内にその結果を公表できるように研究を進める。 2.29年度に作成した教育用タスクを精緻化するとともに、さらに様々なタスクを作成する。特に日本語能力レベルが中級程度の学習者に対しても使用可能な教材の開発を進める。 3.29年度に口頭発表した研究を論文化して公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度中に発注した教材作成用の機器の納入が4月にずれ込んだため、支払いが30年度回しになった。その金額が29年度の使用額に反映されていないため、次年度使用額として残った。 30年度は国際学会で研究発表することが決まっているため、研究協力者の旅費を支出する。また、質問紙調査の実施、データ分析、教材作成などに関して、研究協力謝金、アルバイト謝金を支出する予定である。
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