研究課題/領域番号 |
17K02880
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
藤原 未雪 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (60793221)
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研究分担者 |
中北 美千子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00646408)
野田 尚史 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (20144545)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 上級日本語学習者 / 読解 / 小説 / 困難点 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本語が上級レベルの学習者が日本語で書かれた小説を読むときの困難点を明らかにすること、ならびに小説読解支援を目指した教材開発のための指針を得ることを目的としている。 本年度は、1編約50文からなる短編小説2編(森絵都「彼女の彼の特別な日,彼の彼女の特別な日」)を読んだときの文章理解データの収集を行った。調査対象者は大学の学部生および大学院生である。また、日本語学習者の場合は、SPOTの受験により、日本語のレベルを確認した。 調査は、小説を読んでもらい、その内容を学習者の母語で口頭翻訳してもらう方法で行った。学習者の理解を確認するために、調査者側からの質問にも答えてもらった。日本語母語話者の場合は、ターゲットとなる語や表現をパラフレージングしてもらう方法をとった。調査対象者の人数は、①英語母語話者6名、②中国語母語話者2名、③日本語母語話者17名(すべて日本国内)である。 収集したデータは、第一次段階の文字化、必要に応じて日本語への翻訳を完了し、分析のためのデータをほぼ整えることができた。分析にも着手し、その結果の一部を予備調査の韓国語母語話者の調査結果とあわせて、2018年8月に日本語教育国際研究大会で発表する予定である。また、学術論文を執筆し、学会誌に現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画どおりに調査を行い、当初予定していたデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、日本語学習者の調査をさらに進めるとともに、前年度に収集したデータの分析も進める。中国語母語話者、韓国語母語話者、英語母語話者の分析結果をとりまとめ、母語別の特徴や日本語母語話者との違いについて発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度には日本語母語話者の調査を優先して進めたため、翻訳をする必要がなく、当初計画していた翻訳謝金にあまり手をつける必要がなかった。しかし、2018年度以降は日本語学習者の調査を主体に進めるため、それに付随した翻訳謝金も必要になる。助成金はそのために使用する予定である。
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