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2017 年度 実施状況報告書

日本のロシア語教育のための内容重視型授業のデザイン:第2言語習得過程をふまえて

研究課題

研究課題/領域番号 17K02884
研究機関大阪大学

研究代表者

横井 幸子  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (70635119)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードロシア語教育 / 内容重視型の言語教育 / CAF分析
研究実績の概要

本研究は、日本のロシア語教育の文脈に適した内容重視型のロシア語教育モデルを構築するために、以下の通り研究課題を設定した:1)どのような内容と言語学習項目を導入して学習者に高次の思考を促すようなロシア語活動を設計することができるか、2)内容重視型授業を通じて、学習者の第2言語習得がどのように進むのか。

初年度にあたる2017年度は、ロシア語を開講している高校教員向けに研修プログラムを計画し、2017年9月と12月に実施した。本研修で参加教員たちによって作成された指導案は全て日露交流をベースとするプロジェクト型の授業の指導案と評価ルーブリックで、実際に3校において実施された。

加えて、上記のようなプロジェクト型授業におけるロシア語習得過程を検討するために、学習者たちが産出した言語データをTRKIで想定されているロシア語能力レベルとの相関性を検討した上でCAF分析を行い、その特徴を明らかにした。その結果、日露交流プログラムでロシア人に向けて行われたプレゼンテーションで生徒たちが産出したロシア語は、取り上げられたテーマ、語彙と文法項目のカバー率の点で、概ねTRKIで想定されている基礎レベルの言語到達度の範囲内に収まっていることが明らかになった。また、自分たちに身近な内容をテーマとし、平易なロシア語で正確にそして流暢に話し、ロシア人に伝わりやすいプレゼンテーションを心がけていたことも示され、客観的評価にも対応できるプロジェクト型授業が可能であることが示唆された。上記の研究成果については、2018年3月日本外国語教育推進機構(JACTFL)にて口頭発表を行った。続けて、2018年夏には学術論文として発表する予定にしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度はロシア語教員向けの内容重視型授業研修プログラムの計画と実施を目指して、1)CBIやCLILに関する先行研究、2)ロシア語教員向けの内容重視型授業をデザインするための研修プログラム研修プログラムの設計、3)研修プログラムの実施、を事業計画とした。
上記全ての活動は実施できたが、主に高校の教員への研修だったため、今後は多様な学習条件を考慮したロシア語プログラムを開発するためには、より広くロシア語教員からのご協力をお願いする必要がある。

今後の研究の推進方策

平成30年度の研究実施計画は下記の通りである:
1) 内容重視型授業モデルの開発1(実践研究)
まず、高校や大学教員の中から開発チームメンバーを募り、ヨ ーロッパ共通の語学能力到達度指標であるCEFR(ロシアではTRKI)のレベル別に開発チームを組織する。対象と する語学到達度レベルは、初級、中級レベルに当たるA1レベルからB1レベルを想定する。続いて、各チームメンバーが自分の授業で実施可能な内容重視型授業の単元案をチーム毎に恊働で作成する。
2) ロシア語教育における内容重視型授業の検証1(実証研究)
まず、データとして、フィールドワーク、授業観察/録音あるいは録画、インタビュー、学習者たちが作成した ロシア語原稿などを収集する。研究参加者の同意の上、訪問回数、授業観察方法などを詳細に検討する。データ分析に当たっては、必要に応じてエスノグラフィ分析、談話分析、CAF分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

H29年度は、フィールドワークを当初予定していた回数分実施できなかったため、収集したデータの処理についてもアルバイトを雇わなかった。結果として、旅費と人件費について計画通りの予算執行がかなわなかった。H30年度については、計画通りの予算執行を行うとともに、次年度使用額については、国際学会での発表等に充てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本の高校のプロジェクト型授業における「学び」の評価とロシア語習得について:客観的評価(TRKI)とCAF分析について2018

    • 著者名/発表者名
      横井幸子
    • 学会等名
      JACTFL第6回外国語教育シンポジウム

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公開日: 2018-12-17  

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