研究実績の概要 |
本プロジェクトは、グローバル化に対応した多言語教育の一環として「ロシア語を用いて主体的に思考し、判断し、表現できる人材の育成」を目指し、特に日本の高校のロシア語教育の文脈にあった内容重視型のロシア語教育モデルを構築することを目標にして研究を進めた。まず、1)新学習指導要領が目指すところの「主体的、対話的で深い学び」のロシア語の授業における具体的な形、2)内容重視型授業と学習者の第2言語習得過程の相関性について、授業実践とその学習効果の検証を重ねた。その結果、1)個々のことば活動において、対話を通じて得られる情報や学ぶ事柄に学習者自らが何らかの関わりを見出し、思考を働かせる時に深い学びが起きること、2)ことば活動における協働と対話の要素が特に第2言語習得に寄与することが明らかになった。これらの研究成果を踏まえ、さらに授業実践を通して蓄積してきた実践的ノウハウをいかして、最終年度にあたる2019年度は、日露交流をベースにしたロシア語教育を展開してきた高校の文脈にあった教科書の開発に取り組んだ。高校が展開している日露交流プログラムに直結した教科書や教材を開発することで、普段のロシア語の授業と日露交流プログラムを連動させた学習機会を確保でき、高校生たちが通常到達目標とするレベル(CEFR-A1, A2など)で想定されている話題や内容を教科書を使って教室で学び、交流プログラムで実際に使うことができるようになった。
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