研究実績の概要 |
本研究の目的は,アクティブラーニング(AL)の視点から中・高等学校の英語授業における教師・生徒の英語使用の実態を調査し,その改善を提案することである。具体的には,(1)ALの理論研究及び効果に関する実証研究の概観,(2)中・高等学校の英語授業における教師・生徒の英語使用及びALの実態調査,(3)調査に基づく英語授業におけるALの提案,(4)提案に基づく授業実施とその効果検証,の4つである。 平成29年度には,(1)と(2)の一部を実施した。(1)に関しては, 国内の文献はCiniiで「効果,アクティブラーニング,中学校(または高校)」と検索し,各々14と20の研究を概観したが,ALの効果を検証したものは殆どなく,これまでの指摘(溝上,2014)と一致した。海外の文献はERICで「active learning, effects, secondary education」と検索し70の研究を概観したが,約半数で効果が検証され,概ねALの有効性を示された。大学教育に関するメタ研究(Freeman, et al, 2014等)や中等教育に関するメタ研究(Lipsey, et al., 2012等)が示すALの効果を追認された。 理論面では,ALに係る協同学習に注目した。協同学習がALに及ぼす影響に関して,5つの基本的構成要素(Johnson & Johnson,2009)の観点で,中・高等学校におけるALの実践例(西川,2016,2017,山本,2015,2016)を探ったが,「グループの改善手続き」以外の4要素の係わりが示された。 (2)に関しては,大学生を対象とするALの実践を報告し,大学生を対象とする協同学習に関する認識を調査する質問紙を作成した。これは,中・高校生のAL及び協同学習に対する認識調査の基になるものである。
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