研究課題/領域番号 |
17K02890
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 彰一 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80197425)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 授業設計論 / 逆向き設計 / アクティブ・ラーニング / 課題解決型授業 |
研究実績の概要 |
本年度は2年目の研究として,1年目の理論研究にもとづき,逆向き設計論の発展的な取り組みの研究や佐賀県中学校英語教育における「佐賀メソッド」の逆向き設計論の実践研究について検討し,研究交流を進めながら,理論的実践的研究を進めた。また,本研究が次期学習指導要領の円滑な実施とも関連するので,佐賀県中学校英語研究部会(中英研)において研究発表をおこなっている。 たとえば,平成30年度 中英研第1回支部長理事研修会「学力と評価について:次期学習指導要領の求める所2」2018年6月5日や平成30年度 佐賀県中学校教育研究会英語部会第2回理事研修会「パフォーマンス評価について:次期学習指導要領の求める所3」2019年2月21日において本研究内容と関連した発表をおこなった。関連して,次期学習指導要領における「資質・能力」の学力観と逆向き設計論との関連性について,本研究で進めた所を,論文「『佐賀メソッド』と次期学習指導要領:英語教育における資質・能力」『佐賀大学教育学部研究論文集』第3集第1号67-79 2019年1月発行としてまとめたところである。 これらの研究を進めながら、佐賀県以外の小学校外国語活動の授業の進行状況、他県における英語教育における授業研究の実際を知るのための小学校や中学校の訪問と教育についての情報交換と、大学の研究者との情報交換の機会を持つことができた。中でも出張訪問で知ることができた他県の小学校と中学校の先進的実践研究に研究をさらに充実させるヒントを見いだすことができたと思われる。沖縄県の伊是名小学校においては,予算の制限がありながらも外国語活動に工夫をしながらの取り組みを知ることができた。また,琉球大学教育学部附属中学校で取り組まれている「知識構成型ジグソー法」の手法は本研究のメインである逆向き設計にもとづく授業デザインに対する理論的実践的示唆を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学改革の業務を理由にすることはできないものの,本年度は所属グループの代表や英語科入試の担当があり研究のための日程調整が難しい時期があった。2年目として集中してあたりたい時期に入試業務が重なったことが大きい。しかしながら,本科研費から研究機器の更新や補充をすることができ,研究資料についてもさらに整理を進めることができた。佐賀県の研究と比較するための他県における取り組みの調査を継続し,沖縄県における小学校外国語活動授業や琉球大学教育学部附属中学校を訪問することができ,他大学の研究者との情報交換をさらに進めることができた。授業設計論の研究成果を,研究論文「『佐賀メソッド』と次期学習指導要領 英語教育における資質・能力」『佐賀大学教育学部研究論文集』第3集第1号67-79 2019年1月発行として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究計画3年目として、これまでの研究の進捗状況をふまえて,(i)逆向き設計としての授業デザインを内包する佐賀県中学校で取り組まれている「佐賀メソッド」の手法を確立するための研究,(ii)その実践的研究の担当者と協議をしながら実態調査を進める研究,(iii)「知識構成型ジグソー法」の手法を活用した新たな英語科授業デザインの方向性を探る研究,を進めて研究の総括へと進める。
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