研究実績の概要 |
本年度は,3年の研究期間の最終年度となるのでこれまでの研究を総括するための報告書作成に取り組むことを中心に研究を進めた。本研究の主題は逆向き設計論にもとづく英語科授業デザインであり,次期学習指導要領に盛り込まれた英語によるコミュニケーション活動のあり方を理論的実践的に検討した。その結果,逆向き設計論が英語科授業デザインとして有望であり,資質・能力育成のための思考力・判断力・表現力を用いる言語活動の開発を後押しするものであることを明らかにした。 これまで取り組まれてきた「フォーカス・オン・フォーム 」「イマージョンプログラム」「課題解決法」や「タスク」にもとづく授業設計の比較考察を行い,「タスク」をキーワードとした授業改善に到達することができることを示した。そこでは,佐賀県の中学校英語教育で取り組まれている「佐賀メソッド」の授業設計に取り込むことを意識して,アウトプット活動として実践的な英語指導に活かすことができることを指摘し,これまでの逆向き設計論の発展的な取り組みの研究から,佐賀県中学校英語教育における「佐賀メソッド」の逆向き設計論の実践研究について検討し,「コミュニケーションのための英語による言語活動」をどのように開発し実施するべきかの提言へとつなげた。 その提言にもとづく総括的研究内容を,佐賀県中学校英語研究部会(中英研)において発表し,研究報告書『英語授業の改善に向けて(研究成果報告書)』として編集,発表した。
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