研究課題/領域番号 |
17K02894
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
森谷 浩士 広島経済大学, 経済学部, 講師 (80524173)
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研究分担者 |
岩井 千秋 広島市立大学, 国際学部, 教授 (60176526)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大学英語教育 / 教師アイデンティティ / 教師役割認識 / 教師ビリーフ |
研究実績の概要 |
本研究は、2017年度より3年計画で実施している。研究の目的は、すでにわが国の大学英語教育に欠かせない存在となりつつある外国人英語教師の主観的な役割認識(教師役割アイデンティティ)を探索し、日本の大学英語教育という固有の文脈における教師役割アイデンティティの形成と変容に影響を与える要因を明らかにすることである。教師役割アイデンティティに影響を与える要因を特定することで、日本人教師との連携、大学コミュニティにおけるサポートなど、大学英語教育の充実発展を目指すものである。3年間の研究期間のうち、初年度は面接調査を通じた定性的な研究手法による仮説理論モデルの構築、2年目に、初年度に構築した仮説理論モデルを定量的な研究手法で妥当性を検証し、3年目に研究成果を取りまとめる計画としている。 3年計画の初年度である2017年度は、計画していた面接調査を行い役割アイデンティティの形成要因を特定し、それぞれの関連性を説明する仮説理論モデルの構築を行った。面接調査にあたり調査項目の特定、調査で使用する材料を作成し、面接調査を実施した。面接調査には、24人の外国人教師と12人の日本人教師が参加した(計画では外国人教師10人、日本人教師5人)。面接調査により得られた音声データは、書き取りののち修正版グラウンデッドセオリー・アプローチを用いて分析を行い、仮説理論モデルの構築を行った。 2017年度の研究成果の発表であるが、所属学会における口頭発表が3件(国内における国際学会2件、地方大会1件)、論文による発表1編(査読あり)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のとおり、当初2017年度に実施を計画していた定性的な研究手法を用いた仮説理論モデルの構築を完了した。この過程で面接調査を行い、得られたデータの分析を予定通り行うことができており、研究遂行に関して支障や計画の変更は生じていない。 一方、面接調査の過程において、本研究課題の範囲において検証しておくべき点が生じたため、次年度に追加の面接調査を行うこととする。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目にあたる2018年度は、前年度に構築した仮説理論モデルを定量的研究手法を用いて、その妥当性を検証する。具体的にはアンケート調査を実施する。 構築した仮説理論モデルに基づいて、質問紙を作成しアンケートを実施する。4月~6月に質問紙を作成し、7月にはパイロット調査を行う予定である。本調査は11月を予定している。調査への協力者数(外国人教師)は最低100人と設定している。これらの協力者は、所属学会(大学英語教育学会ならびに全国語学教育学会)を中心に呼びかける。実際の収集は、実際に出向いてアンケートへの協力を求める方法、郵送方式の二つを予定している。これらの紙媒体による方法で、予定数に届かない場合は、インターネット方式を利用する。収集したデータはアルバイトを採用して短期間で入力を済ませ、結果を年度内に取りまとめる。 また、初年度の研究過程で生じた新たな課題に答えるため、追加の面接調査(3~4人)を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査旅費を含む旅費に50万円を予算計上していたが、これは1訪問先につき1名の調査を想定したものであった。それに対して、実際の調査では1訪問先で2名の調査協力者がいたことなどもあり、その結果として、予算と執行金に差が生じた。 次年度では、追加の面接調査を行うように計画を一部変更しており、生じた差額はその面接の協力者への謝金(人件費・謝金)、データの書き取りの外部委託(その他)に使用する予定である。 研究分担者についても研究成果発表のための学会出張旅費を計上していたが、今年度の発表は見送り次年度に発表を行うこととする。
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