研究課題/領域番号 |
17K02899
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
大野 秀樹 大東文化大学, 経済学部, 准教授 (40343628)
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研究分担者 |
Sheppard Chris 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60350386)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クリティカル・シンキング / タスク / 文化・異文化 / スキル |
研究実績の概要 |
本課題では、大学の英語教育においてクリティカル・シンキング(以下CT)を育成するため、CTのスキルと内容([異]文化学習中心)をかけあわせた英語のタスクを作成する(主に英語で書くタスク)。一部のタスクはCTのテストとして開発する予定である。スキルと内容の両方において、2つの枠組みを参照にリストを作成・精選した(タスク作成の第一段階)。リストの精選後、それに基づくタスクを作成することになる。作成にあたり、リスト(におけるディスクリプタ)とタスクの関連性を強くすることを念頭においている。 スキルと内容のかけあわせは、「スキル×(異)文化の内容」、「スキル×より中性的な内容」のように大別した。内容に関する知識の有無によって、タスクの難易度が変わる。CTのスキル使用を促すタスク作成が本課題の目的であるため、各タスクにおいては一つのCTスキル(ディスクリプタ)を使用せざるを得ない状況をつくり出した。そのため、タスクの設問と状況設定(問題解決場面の提供)を詳細かつ具体的にした。スキルのサブ・カテゴリー内で厳密に一つのスキル使用を促すということは困難であったこともあり、「スキル×より中性的な内容」を中心にタスクを作成したが、二年目以降は「スキル×(異)文化の内容」の作成を中心とする。 第二・三段階としてのタスクの作成は、次のセクションに記載したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の第一段階であるリストの精選、タスクの作成自体は、順調に進んでいる。前述のとおり初年度は「スキル×より中性的な内容」を中心としたタスクの作成であったが、二年目以降は「スキル×(異)文化の内容」の作成を中心とする。第一段階としてのタスク作成は毎年度実施し、タスク・リストに追加していく。この一方、第二段階のタスク作成は少々遅れている。まずは複数の協力者の方から、ディスクリプタとタスクの関連性の吟味をしていだく予定である。この第二段階を経て、タスクの授業内実施(第三段階)へと進む。 第二・三段階へとつながるリソースである初年度作成のタスクは、二年度以降中心となる「スキル×(異)文化の内容」の作成の基盤となるであろう。「(異)文化の内容」という別の観点を入れ込むことになるため、作成が困難である。しかし、初年度で「スキル×より中性的な内容」という基礎的なアイテムを作成したことで、二年目以降のタスク作成が容易になるであろう。 現在、第二段階の協力者はある一定数集まっているが、今後も増やしていきたい。同様に、第三段階での協力者もさらに増やしていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
二年目からは、まず第二段階のタスク作成に取り組む予定である。リストとタスクの関連性を調べるために、協力者の方にアンケートを実施し、リスト(ディスクリプタ)とタスクの関連性が強いと判断されたものが選ばれる。そして残ったものが授業において実施されることになる(第三段階)。この第三段階は、代表者、分担者、連携研究者のみでなく、協力者の方にも実施していただく予定である。 第三段階に関連し、外部のCTテストを実施する。それらと本タスクとの関連を吟味することで、本CTスキル・タスクの妥当性を高めたい。まずは、代表者が以前から実施している記述型のCTスキルのテスト(日本語による記述形式テスト)、そして分担者が導入予定の多肢選択式のCTスキル・テスト(日本語)の実施を予定している。 タスクとは別に、タスクの回答例、思考のシミュレーション例やスキルの理論的背景をマニュアルに記載することを予定していた。これは、第三段階が終了した段階(三年目)で、本格的に取り組む予定である。 第一段階のタスク作成は二・三年目も実施し、タスクのアイテムを増やす予定である。また、前述のとおり二年目には「スキル×(異)文化の内容」の作成を増やす予定である。三年目には、それに加え、初年度に作成した「スキル×より中性的な内容」のタスクを増やしていく予定である。タスクの吟味(第二段階)、他テストの実施は二・三年目も引き続き実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度はタスク作成の第一段階に時間をかけた。その第一段階の結果を協力者の方に吟味していただく(第二段階)ことは二年度以降にすることにした。そのため、初年度は謝金を使用することができなかった。また、連携研究者、協力者とのミーティングは、二・三年目に実施することした。それは初年度のタスクが「[異]文化」の内容(連携研究者、一部の協力者の専門分野)に焦点をあてたものではなかったからである。 当初はコンピュータを初年度に購入する予定ではあったが、二年目に購入することにしたため、初年度の物品費を使用することができなかった。
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