研究課題/領域番号 |
17K02904
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
藤井 清美 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (60596633)
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研究分担者 |
井ノ口 悦子 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (80770809)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 21世紀型スキル / PBL / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、21世紀型スキルの習得を目指す外国語学習に問題解決型プロジェクトを取り入れることで、どのような効果が得られるのかを検証する。そのため、研究代表者らは2013年度から英語教育にコミュニティとつながり貢献する活動を導入し、学生の言語習得と自己形成における効果を検証してきた。従来の言語教育とは異なり、地域貢献に志向した問題解決型教育を実施することで、言語を道具として使用し、グローバルコミュニティで必要とされる21世紀型スキルを備えた人材が育成されると考える。本研究では、地域、産学連携型プロジェクト活動を効果的に行うために参加者が必要とされるスキルを抽出し、それを基に21世紀スキルの獲得に必要な外国語教育とはどのようなものかを明らかにし、カリキュラムに取り入れるための効果的な指導方法と総合的能力評価の評価方法を模索する。
本研究では、専攻が異なる理系大学生を対象に、外国語をツールとして使う経験の教育的効果を探る。プロジェクトを通しての学びを目指すPBLと、地域社会への貢献に焦点を当てる地域連携活動を組み合わせることで、問題解決に必要な外国語と21世紀型スキルを抽出する。次に、外国語での地域連携型PBL活動をカリキュラムとして正課科目に取り入るための指導方法と、その総合的能力評価の方法を導き出す。総合的評価の一部としては、プロジェクト遂行スキルと外国語運用スキルの両方を測る為、評価ルーブリックを作成する。ルーブリックは、学生の目標設定を明確にすると共に自らの活動への関わりや限界を可視化でき、PBL活動の過程を把握するのに役立つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度より プロジェクト型授業を正課科目に取り入れ、研究代表者がファシリテーターとしてプロジェクト活動を監督し、研究分担者が活動に参加し参与観察を行ってきた。プロジェクト遂行スキルと外国語運用スキルの両方を測る為の評価ルーブリックを作成し、検証中である。これまでの 研究は、概ね計画通りに実施できているが、2019年度はカリキュラム変更のため前学期のみの開講となり、後学期実施予定であった、総合的評価の一部としての作成した評価ルーブリックで、プロジェクト遂行スキルと外国語運用スキルの両方を適切に測ることが可能かを引き続き検証することができなかった。このため、引き続き2020年度の前学期のプロジェクト型授業からもデータを収集する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度の後学期予定であった、正課科目でのプロジェクト型授業を遂行し、総合的評価の一部としての作成した評価ルーブリックで、プロジェクト遂行スキルと外国語運用スキルの両方を適切に測ることが可能かを引き続き検証していく。
昨年度より改善したルーブリックで、学生の目標設定を明確にすると共に自らの活動への関わりや限界を可視化でき、 PBL活動の過程を把握するのに役立つかどうかを検証する。前学期終了後はそれまでの全ての参加学生から収集した振り返りの内省データを分析し、21世紀スキルの獲得に必要な外国語教育とはどのようなものかを明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、二つのフェーズからなる:(1)地域連携型問題解決プロジェクト参加者が自己評価を下すためのルーブリックを作成し、試用し、改善する、(2)参加者による活動の「振り返り」(内省)のデータを得る。(2)では、 活動の「振り返り」と研究者の観察をもとに、プロジェクト活動と言語学習の二つの面に分けてコーディングを行い、参加者がどのような過程を経て地域貢献型問題解決のスキルと言語スキルを獲得していくのかを考察する予定であるが、内省データを分析するソフトの契約開始を最終年にまとめて実施することにしたため、その予算を次年度に使用する予定である。
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