最終年度では、繰り返し英語を産出する機会となる国際協働プレゼンテーションイベントに参加した大学生15名を対象に質問紙調査を実施し、論文を執筆した。参加者は、国際英語プレゼンテーションイベント(World Youth Meetingと Asian Students Exchange Program)での英語発表を目標に、約3ヶ月間英語でオンライン交流を行った。これら一連の取り組みを通して、参加者は「社会人基礎力」全般が身につき、英語のスピーキング力とリスニング力が向上したと感じた一方で、「社会人基礎力」の中の「規律性」は身についたと感じておらず、英語のライティング力とリーディング力について向上を感じなかったことが明らかになった。さらに英語表現、発表の方法、調査方法、チームワーク、異文化理解、リーダーシップの大切さなどを学んだと感じていたことがわかった。 また、上記の取組を指導した3大学に所属する台湾人、日本人、スリランカ人の教員3名の「計画・準備・実行」の3段階における活動と指導について調査した結果、アカデミックな側面(英語ライティングやスピーキング、調査方法など)とアカデミックではない側面(取り組み姿勢、異文化間交流におけるマナーなど)の指導が必要であることがわかった。本内容を国際学会で口頭発表した。 本研究全体を通して、統語的プライミング効果を利用したタスクは長期的にL2文理解を促進することが明らかになったが、産出については促進の可能性が示唆されるにとどまった。今後は,産出への促進効果についての研究をさらに進める。
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