研究課題/領域番号 |
17K02909
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
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研究分担者 |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10240293)
名部井 敏代 関西大学, 外国語学部, 教授 (20368187)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ZPD / 教師教育 / 授業談話分析 / 授業の省察 |
研究実績の概要 |
本研究の2018年度の成果としては、理論的な枠組みの整理(2017年度)を経て、小中高等学校での授業実践の記録と分析を行ったことが第一にあげられる。小中高の授業事例を分析することで、学習者にとってのZPDの創出という点に加えて、教員にとって学習者とのやり取りの中で創出するZPDという観点に加えて、教室でのやり取りと、その後と省察(授業研究)が、教員自身の成長に資する場としてのZPDの創出にもなっていることが、明らかになってきた。これを研究の新たな視点として加えて、授業とその後の省察を、教師自身の成長の場にするために、研究者がのどのような視点で支援を行えばよいのか(教師教育の視点)、その結果えられる教師の成長が、学習者とのやり取りにどのような影響を及ぼすかを関連づけて研究を進めることになった。 小学校の英語教育現場は、安定した授業実践の傾向分析の場というよりも、日々変化が必要とされその支援をする場にならざるを得ない状況であり、上記のような、教員の成長の場となっている。教員の成長により、児童たちとのやり取りの質が変化する、またその変化に対して教員が応じようとすることが、次の成長の契機になる場面を観察記録できつつある。中高とは異なる実状のため、研究の視点も中高は学習者をその軸に、小学校では教員を軸に学習者の様子も観察分析するといった具合に、異なる対象に対して、ZPD、活動理論、パフォーマンス心理学等の理論を用いた分析を行っており、その成果をどこまで統合できるかが、今後の課題にもなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果を論文化できるまでに至っていない状況であるが、これまでデータ分析は進めており、新たな視点での分析を急ぐことで、計画に追いつくことができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
学習者の言語学習上の伸長・成長と、教師の成長を、授業の場面でのやり取りの分析により明らかにする研究方法の開発を試行錯誤もしながら進める一方で、教師の成長研究の成果を生かして、教師の成長を促す支援方法の開発・試行、データ収集をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析および論文作成の遅れにより、学会参加論文投稿、データ分析のための支出の滞り等が、次年度での使用が生じた理由であり、次年度使用分と今年度の請求分と合わせて、論文作成にあたり、データ分析に必要な費用、学会発表のための学会参加費、英文校正費用などにあて、研究を完遂させる。
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