研究課題/領域番号 |
17K02913
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
藤原 三枝子 甲南大学, 国際言語文化センター, 教授 (50309415)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英語学習観 / 質問紙調査 / 聴き取り調査 / 教師のビリーフ |
研究実績の概要 |
平成30年度は、平成29年度に実施した小規模のパイロット調査を経て、前期・後期の2回、質問紙調査を実施した。前期調査は英語学習経験とドイツ語学習に関する質問を主として平成30年5月~6月に行い、14大学33名の教員の協力を得て、64クラス、合計1062名の学習者が質問紙調査に参加した。後期調査はドルニェイの「L2動機づけ自己システム」に関する質問項目を主として平成30年12月~平成31年1月に行い、32名の教員の協力を得て、63クラス、合計986名の学習者が質問紙調査に参加した。また、1年間の「学習記録」には5大学39名の学習者が協力した。加えて、平成31年1月~2月に実施した「聴き取り調査」には18名の学習者の協力を得た。前期質問紙調査の量的部分の分析結果については、研究代表者の所属機関の紀要に発表した。 連携研究者も教師を対象とした研究を進め、5大学5名に「授業記録」(年間5回)を依頼し、授業参観(1回)・聴き取り調査(2回)を実施した。また、教師に関する研究は所属機関の紀要に論文として発表した。 加えて、平成30年度はドイツから講師を招いて、コミュニカティブな授業運営に関するワークショップ及び講演会を2回実施した。1回目は元ベルリン州教育省ベルリン州立ヨーロッパ学校コーディネーターの W.Stotzka氏、ルードヴィッヒスブルク教育大学のProf. Dr. C.Roeder氏を迎えて7月に、2回目はドイツ外務省外郭団体のGoethe-Institut Osakaとの共催で、ドイツ語教材出版社Hueberの協力を得て10月に実施した。両企画は遠方からも参加者を集め、コミュニカティブな授業に関する理論及び実践の学習につながった。 また、調査研究の進捗状況の共通理解と今後の研究計画の打ち合わせのために、連携研究者と複数回会議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は本調査の年であった。当初の計画に沿って、前期・後期において質問紙調査を実施した。前期調査には1062名の学習者、後期調査には986名の学習者が調査に協力した。加えて、1年間の「学習記録」に5大学39名の学習者が参加し、聴き取り調査にも18名の学生が協力した。前期調査の分析結果は所属機関の紀要に発表することができた。 連携研究者も当初の計画に沿って、5大学5名の教師の授業参観及び聴き取り調査を実施することができた。また、教師に関する研究は、所属機関の紀要に発表することができた。 加えて、ドイツから講師を迎えて、ワークショップ及び講演会を2回開催することができた。こうしたことにより、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究代表者が行っている学習者調査については、平成30年度に実施した質問紙調査、学習記録および聴き取り調査の分析を行い、8月に札幌で開催される国際学会で口頭発表し、その内容を論文として公表予定である。 また、連携研究者の教師研究についても、聴き取りデータの文字起しと分析を行い、その結果を学会において口頭発表するとともに論文として公表予定である。また、新たに3名の教師に対して「授業記録」(年間5回)・授業参観(1回)・聴き取り調査(1回~2回)を実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度前期・後期2回実施した質問紙調査を委託した調査会社の費用及び聴き取り調査の文字起し費用が、最終的には計画当初の想定額よりも高かったものの、昨年度の予想額よりも低く抑えることができたこと、分析のためのソフトの購入を次年度に延期したことにより、使用額に差額が生じた。次年度の支出を予定している。
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