研究課題/領域番号 |
17K02913
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
藤原 三枝子 甲南大学, 国際言語文化センター, 教授 (50309415)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 質問紙調査 / 学習者の学習観 / 教師の教育観 / ドイツ語を使う自己像 / 授業参観 / 聴き取り調査 |
研究実績の概要 |
2020年度は、2018年12月~2019年1月に実施したDoernyei のL2 Motivational Self Systemに基づき、ドイツ語を使う自己像に関する調査(14大学986人のドイツ語学習者が調査に協力)の分析を行い、論文「日本の大学における第2外国語としてのドイツ語学習者の動機づけと「ドイツ語使用者としての自己イメージ」-Doernyei のL2 Motivational Self Systemに基づく質問紙調査による量的分析-」にまとめ、日本独文学会誌『ドイツ文学』162号に投稿した。査読と修正を経て2021年度に発表される予定である。また、2019年8月に開催された国際学会「アジア・ゲルマニスト会議」において、”Englischlernerfahrungen und Einstellungen der Studierenden zum Deutschlernen sowie deren moegliches Selbstbild als Deutschverwendende“として口頭発表したものを、2020年度にオンライン出版されたシンポジウム記録集 “Einheit in der Vielfalt? Germanistik zwischen Divergenz und Konvergenz Asiatische Germanistentagung 2019 in Sapporo"に発表した。また、研究状況の共通理解と今後の研究計画のために、連携研究者とZoomを利用して複数回会議を行った。 連携研究者は、2019年度に授業参観を行った4名の教師のうち3名について2度目の聴き取り調査を実施した。コロナ禍の影響により、聴き取り調査の実施は年度末の2021年3月となった。2020年度は感染拡大の影響で、研究業績を残すに至らなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、本来は2019年度に実施を予定していた、2018年12月~2019年1月に行った後期質問紙調査の学習者部分に関する分析を行った。当初の計画では、教師の回答も含めた細かい分析をする予定であったが、コロナ感染症拡大にともない、大学の所属センターの外国語教育全体の運営をスムーズに行うために多くの時間を費やさざるを得なかったことにより、分析に遅れが生じた。本調査で得たデータが非常に多いことから、2021年度にはさまざまな角度からの分析を行う。 連携研究者の教師4名に関する研究は、コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年3月に予定していた2度目の聴き取り調査が3名の教師について実施できず、2021年3月に入ってようやく実現した。 こうした理由により、研究は遅れていると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、2018年12月~2019年1月に行った後期質問紙調査の教師部分の分析および2018年度の前期および後期調査の定量的・定性的分析のまとめを行い、研究報告書を作成し、調査に協力いただいた先生方への発送を予定している。 連携研究者の教師に関する研究については、コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年3月に実施できなかった3名の教師に、2021年3月に2度目の聴き取り調査を行った。2021年度は、そのデータの文字起こしと分析を行い、2018年度・2019年度の聴き取り調査のデータと合わせて、その結果を口頭発表するとともに論文としても発表予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本来は2020年度に、本研究課題で実施した調査全体の報告書を作成・印刷し、調査に協力していただいた先生方への発送を予定していたが、コロナウイルス感染症拡大の影響で所属センターの外国語教育全体のスムーズな運営に時間を費やさざるを得なかったこと、および学会誌の発行時期等により報告書作成が2021年度になった。この報告書の作成・印刷・発送に助成金を執行予定である。
|