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2022 年度 実施状況報告書

初級英語学習者の技能・知識の関係と発達:読みと語彙の諸側面を中心にして

研究課題

研究課題/領域番号 17K02920
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

今村 一博  武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (70632826)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワード読解の正確さ / 読解の速さ / 語彙知識の広さ / 語彙知識の深さ / 文法知識 / 聴解 / 読解力構成要素(コンポーネント) / パス解析
研究実績の概要

本研究は日本語を母語とする初級英語学習者を対象に、英語の技能・知識の関係と発達について、主に読解と語彙の諸側面を中心に実証的研究を行い、教育的示唆を得ることを目的とする。先行研究では、読みと語彙の関係を調査したものはあるが、読みと語彙に関する諸側面、その他の知識・技能の関係を対象とした実証的研究は少ない。2022年度は、読解の正確さ・速さと語彙知識の広さ・深さ、文法知識、聴解の関係を縦断的に調査したものを分析した。その結果、以下の結果が得られた。
①読解の正確さと速さは、弱から中程度の相関があった。縦断データから交差遅延効果が認められ、読解の正確さが、後の読解の速さを予測する因子になることが明らかとなった。日本語を母語とする初級英語学習者に関しては、読解の流暢性を高める指導を行う時点で、正確な読解ができる学習者の方が、効率的に読解の流暢性を高められる傾向がある程度見られることを示唆した。 ②読解の正確さは、計2回の調査において、相関係数が高い順序が同じで、聴解、読解知識の広さ、文法知識、語彙知識の深さの順となった。聴解は読解の正確さに対して、安定して強い相関関係があることがわかった。 ③読解の速さは、語彙の広さ、文法知識、聴解という3つの読解構成要素と相関が高かった。 ④縦断データ(計2回)から、初回時点の語彙の広さは、第2回時点における読解の正確さ・速さの両方にわたって有意な予測因子となっていた。また、上記の研究を通じて、新たな統計手法等に習熟したことは、今後の研究につながると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究以外の仕事が多く、研究に十分な時間を割くことができなかった面がある。また縦断データの量が多く、加えて新たな分析手法を研究する必要が生じたため、やや遅れているように思われるが、いずれも今後の研究につながると考えている。

今後の研究の推進方策

データはあるが、まだ論文にしていない研究を遂行し、学会発表、論文作成をする予定である。本研究は基礎的な調査も含まれるが、できるだけ教育的示唆の得られる研究としたいと考える。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響で、参加した学会の大会等がオンラインでなされ、交通費・宿泊費をあまり使わなかったため次年度使用額が生じた。2023年度は外国で発表するので、その費用に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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