研究実績の概要 |
一昨年度までに暫定教材語彙リストを作成し,大規模コーパスに基づいた語彙頻度表を参照しその頻度を付してあった。 昨年度は,まず暫定教材語彙リストでの頻度,語彙頻度表による使用頻度を比較し,ずれの大きい語についてリストアップした。暫定教材語彙リストについては,さらに会話テキスト,読解テキスト,文法説明テキスト等の分野別でのリストも作成し,語彙頻度表の頻度と対照させた。その結果,分野による教材での高頻度語彙の違いもある程度明らかになった。また,学習的観点とくに日本での学習という点からみて,暫定教材語彙リスト,語彙頻度表ともに頻度で語を選択した場合,以下のような問題となるケースについて,対象となる語をピックアップした。1.語の体系的な扱い(季節,曜日,色を表す語彙など同グループと捉えられる語,反対語は頻度上差が出て同ランクとならないことがある),2.固有名詞関連(固有名詞,固有名詞派生の形容詞をどの程度入れるか。教材リストおよび頻度表ともドイツ語圏およびヨーロッパ関連のものが多いが,日本での学習を考慮すると,日本およびその近隣諸国のものも一定程度含める必要がある),3.学習上多く使用される事物を表す語(Pruefung, Woerterbuchのような語の重要度をどの程度とするか) なお,以上の語の選定に当たっては,独自作成した学習語彙リストおよびJACET 8000のような頻度表を利用した英語の語彙リストを参照した。
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