研究課題/領域番号 |
17K02928
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 克己 広島大学, 外国語教育研究センター, 教授 (70232650)
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研究分担者 |
吉満 たか子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20403511)
HARTING AXEL 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (80403509)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | e-ラーニング / コンピュータ支援外国語学習(CALL) / 自己発見型学習(EL) / プロジェクト型学習(PBL) / ドイツ語教育支援 / ドイツ語学習 |
研究実績の概要 |
計画の初年度である平成29年度は、まず本研究で用いるドイツ語素材サイトとドイツ語学習用ツールの選定・分類作業を行うとともに、プロジェクト型学習の様々なタイプに関する実例を集めことに努めたた。具体的には、ドイツ語の様々な情報サイトの中から、たとえばドイツ人の青少年向けの情報サイト、主要な放送局が提供する青少年用のニュースサイト、青少年用の学習支援サイト、あるいは各種の公共機関等が提供する「やさしいドイツ語」で書かれた情報提供サイトなど、難易度の調整されたドイツ語素材を始め、様々な内容と難易度の言語素材(テクスト、単語集、音声、静止画、動画等)を含む素材提供サイトをリストアップし、歴史、政治、国際交流、地域研究、学生生活、映画、音楽、ファッション、観光、家族,人間関係、ドイツ語学習等の分野を示す20個程度のキーワードを使って分類した。実地調査としては、英語系の発表が主であるJALT2018に参加し、プロジェクト型学習やそのツールの開発/紹介に関連する発表を中心に情報を収集した。また、ドイツ文化センターが国際的に行っているプロジェクト型学習をテーマとしたベルリンでの現職教員用セミナーに参加し、プロジェクト型学習の様々な事例を調査するとともに、ドイツ語圏事情(Landeskunde)の領域におけるプロジェクトをWWWを利用することで日本国内にいながら効果的に行う可能性を検討した。また、オンライン上で無料で使えるフリーソフトの中から、音声認識エンジン、音声読み上げソフト、オンライン辞書、コーパス検索ソフト、翻訳メモリ、学習管理システム等々のEL(自己発見型学習)やPBL(プロジェクト型学習)用のツールとして使えそうなものを各分野ごとに抽出・分類した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メディア系の情報提供サイトはリンク先の変更が比較的多いのでアップデートのための定期的なチェックを今後どう効率化するかという課題や、オンライン上で提供されているツールの無料で使える機能の突然の変更や制限などにどう対応するかという課題など、いくつかの問題はあるが、全体として計画は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、前年度の研究に踏まえ、プロジェクト課題データベースのひな形を作成するとともに、必要なワークシート類や教員用の指導マニュアルの作成を目指す。具体的には 1)「スピーキングとリスニング」、「ライティングと文法」、「リーディングと語彙」という異なる技能分野を対にした3つの領域を設定し、リサーチ課題やプロジェクト課題をそれぞれの領域ごとに整理・分類する。また、個々の課題を実現するための、EL(自己発見型学習)やPBL(プロジェクト型学習)を支援する教員向けの指導マニュアルの開発を目指す。 2)最終目標としてのリサーチやプロジェクト課題を実現するための下位の課題を整理し、それらの解決をサポートするワークシート群を作成するとともに、それぞれのELやPBLを実施するための参考情報をまとめる。 3)目標としてのリサーチやプロジェクト課題集を、コアとなる素材の提供サイト、学習用ツール、領域、学習目的、個々の目標としての下位の課題、ワークシート、難易度、課題達成に要する時間(目安)等の指標とともに登録したプロジェクト課題データベースのひな形を作成する 4)上記の課題データベースのひな形の開発と並行してそれを利用したELやPBLを、研究代表者らが中心となって実験的な形で行い、その評価を通して、課題データベース自体の改善を図る。また、中間段階での成果を積極的に発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2345円の差額が生じたが、これは金額的には予算額の0.33%に過ぎず、誤差の範囲内である。翌年度の予算の中で適切に使う。
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