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2017 年度 実施状況報告書

3ラウンドの理論に基づく教材開発と評価システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K02930
研究機関長崎大学

研究代表者

小笠原 真司  長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (70233393)

研究分担者 丸山 真純  長崎大学, 経済学部, 准教授 (00304923)
宇都宮 譲  長崎大学, 経済学部, 准教授 (60404315)
廣江 顕  長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (20369119)
奥田 阿子  長崎大学, 言語教育研究センター, 助教 (60631249)
コリンズ ウィリアム  長崎大学, 言語教育研究センター, 准教授 (10346942)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード3-STEP System / e-learning / 語彙学習 / 評価システム構築 / TOEIC-IP / 主性分分析 / 教材開発 / リスニング力向上
研究実績の概要

本学教養英語受講の1、2年生に全員にe-learning教材の課外学習必修化を継続実施した。教材は従来と同じく千葉大学を中心に開発された3-STEP System Call教材から初級中級のものを使用した。学期学年進行に従って、教材を昜から難に配置し学期間に2回のテストで理解度の評価を行い、成績評価の40%に組み入れることで学習意欲も高めるようにした。平成29年度はさらに語彙学習のe-learning教材も加え、全学レベルでの新しい評価システムを構築した。前期と後期のデータを集め、学習特性の分析にとりかかっている。
また、およそ40クラスの学生が同一教材の試験を1週間にわたり受けるため、平行テストの作成も行った。3-STEP System Call教材に語彙学習教材も加え、音声CD付の平行テストを各教材につき12種類開発した。テストの実施後は識別指数マイナス設問の有無を確認し、マイナス質問が発見されたテストについては問題の再検討を行い平行テストの完成度を高めた。
さらに平成29年度入学生を対象に、TOEIC-IPを前期7月に実施しデータを収集した。このデータを平成28年度以前の入学生の成績と比較し、平成29年度構築した語彙学習を組み入れた学習システムの効果を検証することができた。なお平成28年度までの過去6年間のTOEICスコアの変化に関しては、平成29年度に論文にまとめて発表した。また過去行った学生のe-learning学習の質問紙調査については主成分分析を行い、平成29年度に論文として発表した。
これまでの研究を活かした新e-learning教材Campus Tourに関しては、試験的な運用を一部のクラスで行い、アンケート調査などからその問題点を明らかにした。そして、Campus Tour 改訂版の作成に取りかかり、Unit 4構成のうち3Unitを完成させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度予定していたこれまでの評価システムの継続に加え、語彙学習e-learning教材を加え、評価システムを再構築することができた。その成果も平成29年度のTOEIC-IPの成績から明らかにすることができた。
評価システムには必要な学習成果確認のためのテスト開発も、当初各教材につき5種類を予定していたが、語彙学習テストも加えることで12種類の平行テストをCD付で作製することができた。さらに実施だけでなく、各平行テストの結果を分析することで、識別指数マイナス設問の有無も確認でき、将来的な継続使用に向けてテストの信頼度を高めることができた。
年次進行の効果測定のためにTOEIC-IPの2回目を2年生後期に実施する案は実現していないが、平成29年度も1回目として1年生の7月に全学的に実施できた。そのデータを用いて学部別の分析とともに、過去6年間との比較も可能となっている。
データ分析は、研究代表者およびデータ担当の研究分担者ともに校務の関係ですべてのデータの分析はまだできていないが、平成29年度にはこれまでの成果を2本の研究論文としてジャーナルに発表した。
これまでの研究成果を生かした独自教材 Campus Tour の作製に関しては、試作版の試験的な使用を行い、アンケート調査により問題点を明らかにした。研究代表者とともにCampus Tour を作製する研究分担者が長期の育児休暇に入っていたため、改訂版 Campus Tour の完成までには至らなかったが70%ほど完成し、平成30年度の完成のめどが立っている。

今後の研究の推進方策

3-STEP System Call教材に語彙学習のe-learning教材を加えた新しい課外学習システムおよび評価システムを継続的に実施し、学生の英語力の底上げを図るとともに、データ取集を行い、学生の英語力の年度別比較分析を行う。平行テストの信頼度も高めるよう、テスト後はさらに平行テストに改良を加えていく。そして、さらに効果的な課外e-learning学習システムおよび評価システムの構築を目指す。
次に、TOEIC-IPの全学的な1年次での実施を継続するとともに、データ収集分析を続け、過去のデータと比較することで、平成29年度構築したあたらしい評価システムの効果を検証する。また学部別の成績分析も行い、各学部に適した教材指定や教材開発の可能性をさぐる。
なお、現在、学年進行の効果測定を可能とするTOEIC-IP等の全学的な外部試験が2年生で実施できていない。継続して2年生後期での実施を大学に働きかけて行くとともに、実現できない場合に備えて、別の試験なり評価方法の検討も行いたい。
Campus Tourに関しては、平成30年度夏までをめどに改訂版を完成させる。改訂版完成後は、長崎大学の学生が on line で使用できるようにする。その際、学習時間管理システム、特にブラウザ内にタイマーを作成し、時間制御させるシステムを組み入れる。それにより、単に長時間聞き流すという学習スタイルを防止し、より積極的に教材に取り組むようにする。後期からは、従来の課外学習としての3-STEP System Callの教材と平行して、研究代表者、研究分担者のクラスにおいては、授業時での使用を開始し、その効果を検証する。
これら平成30年度のデータ分析や実践報告に関して、学会誌、学会発表等において公表し、多方面からの意見を求める。

次年度使用額が生じた理由

物品費としての研究分担者のパソコン関係の出費が、予定よりもやや安くなった。差額は502円と少額であり、平成30年度の関連図書の購入の一部として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 一般化線形モデル(GLM)によるG-TELPスコアからTOEICスコアの 推定モデルの構築:長崎大学学生の2011年から2016年のデータから2018

    • 著者名/発表者名
      丸山真純・小笠原真司・宇都宮譲
    • 雑誌名

      長崎大学言語教育研究センター論集

      巻: 6 ページ: 33-51

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 英語e-Learning 教材必修化が大学生の英語学習に与えた影響ー2回の質問紙調査を用いた主成分分析の結果よりー2017

    • 著者名/発表者名
      小笠原真司・宇都宮譲・丸山真純
    • 雑誌名

      Annual Review of English Learning and Teaching

      巻: 22 ページ: 71-91

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 言語教育における協同性の実現2017

    • 著者名/発表者名
      小笠原真司
    • 学会等名
      JACET第29回九州・沖縄支部研究大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [図書] 外国語の非-常識-ことばの真実と謎を追い求めて-2018

    • 著者名/発表者名
      小笠原真司・廣江顕・松元浩一・谷川晋一・稲田俊一郎・徐佩伶・水本豪・團迫雅彦・隈上麻衣・古村由美子・丸山真純・大橋絵理・大谷英理果・奥田阿子
    • 総ページ数
      181
    • 出版者
      英宝社
    • ISBN
      978-4-269-77056-0

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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