研究課題/領域番号 |
17K02930
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小笠原 真司 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (70233393)
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研究分担者 |
丸山 真純 長崎大学, 経済学部, 准教授 (00304923)
宇都宮 譲 長崎大学, 経済学部, 准教授 (60404315)
廣江 顕 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (20369119)
奥田 阿子 長崎大学, 言語教育研究センター, 助教 (60631249)
コリンズ ウィリアム 長崎大学, 言語教育研究センター, 准教授 (10346942)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 3ラウンド理論 / 3 STEP SYSTEM / e-learning 教材 / 動画教材 / テスト開発 / 評価方法の構築 / Campus Tour |
研究実績の概要 |
本科研の製作教材「Campus Tour改訂版」 を完成させた。このe-learning教材は千葉大学名誉教授竹蓋幸生氏が提唱した3ラウンド理論に基づいて製作されたものである。本学では現在、千葉大学グループ製作の3ラウンドシリーズ教材6種類を教養教育の英語科目において必修教材として使用している。今回のCampus Tour は、その使用経験を生かし、千葉大学グループの教材にはなかった、アメリカの有名大学のキャンパスや歴史を紹介する動画教材である。 Campus Tour の試作版は、1ユニット構成であったが、学生モニターなどを利用し試作版の問題点を過去2年間検討してきた。モニターの意見に基づき、できる限り問題点を解決して製作したのが、4ユニット構成の「Campus Tour 改訂版」である。教材で扱った大学は、MITとHarvard 大学であり、グローバル化が叫ばれ留学希望の学生の増加が今後も見込まれる中、留学希望の学生にとても有益な内容の教材である。教材内には、関連情報をURLによりさらに深く学習できるような工夫もなされている。現在CD-Rの形で提供できるが、本学では今年度中にオンラインで学内で使用できるようにする予定であり、すべての学生が自由に使えるようになる。また、この教材を効率的に学習できるように語彙リスト表も作成した。 また、このようなe-learning教材の効果の確認や評価方法の構築に向けて、現在使用中の6種類の教材に対して、テスト開発を進めた。最終的には、6種類の教材に対してそれぞれ3種類のテストを作成した。そして、平成30年度に学期中2回の試験を行い、1,2年生全員の莫大なデータを前期、後期ともに収集した。今後は、このデータを様々な視点から分析し、学会等で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の大きな目的は、千葉大学やその他の大学で製作されたものとは違うテーマを扱った、3ラウンド理論教材を新たに複数製作することであった。最初の教材「Campus Tour改訂版」に関しては、当初科研1年目に完成を予定していたが、取材した動画の英語スクリプト作成やCD-R版の修正作業などに、予想以上の時間を費やし、2年目の平成30年度末に完成した。そのため、二つ目の教材の製作作業は、取り掛かりが2年目の後半になり、当初の予定からやや遅れている。 二作目は、スコットランドを舞台としたノンフィクションドラマ風の動画教材である。「Campus Tour改訂版」の製作の遅れに加え、二作目の内容を扱った原書の翻訳作業の遅れも加わり、製作作業を令和元年に集中的に行わざるを得ない状況となっている。しかしながら、原書の翻訳はほぼ終わり、教材製作に必要な場所の映像や関係者からのインタビュー動画撮影は、平成30年度中にカナダ、英国スコットランドにてすでに実施済みである。現在は、教材に使用する動画場面の選定や英語スクリプトの作成に取り掛かっている。「Campus Tour改訂版」の教材製作経験をうまく生かすことで、令和元年中の完成は、可能と思われる。 評価の構築に関しては、平成30年度研究代表者が「Campus Tour改訂版」製作に集中したため、具体的な分析作業は行えなかった。しかし、すでに十分なデータをテスト実施により集めているので、研究分担者の協力のもと、平成29年度と同様な分析作業により、その結果を論文等により発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
二作目の教材「スコットランドの魅力(仮題)」に、テーマに基づいた最終タイトルを決定し、3ラウンド理論に基づいた教材製作に取り掛かる。動画データの多くはすでに平成30年度中に現地にて撮影しているので、タイトルにふさわしく教材化可能な録画データを取り出し選定し、まず英語スクリプトを完成させる。その後、インタビューを中心とした e-learning教材の作成へと進む。 今回は、「Campus Tour改訂版」で解決できなかった問題点も検討し、技術的に可能な部分は、改良した形での教材作成を目指したい。特に学習時間管理システムにおいて、ブラウザ内にタイマーを作成し、時間制御させるシステムを組み入れるよう努力する。 教材面では、使えるインタビュー動画が不足する可能性もあるので、令和元年度の夏を利用して、研究代表者あるいは分担者が渡英し、追加の動画撮影を行う予定である。プログラミングやCD-R製作についても、「Campus Tour改訂版」でのノウハウをもとに、時間的ロスをできるだけ避け、令和元年度中の完成を目指す。 評価の構築の面に関しては、すでに平成30年度に集めたデータの分析を研究分担者とともに行う。テスト間の相関や学習者の意識調査など、統計的分析をすでに購入済みのコンピュータをフル活用して行う。分析に際しては、テスト間の相関関係や学習者の意識変化に焦点をあて、論文や学会等において発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動画教材「Campus Tour 改訂版」製作におけるプログラミングおよびCD-R作製業者への製作料として支払う予定のものであった。教材の修正作業を何度か繰り返したため、教材の納品が遅れ、令和元年5月になる見込みである。 残りの最終年度の直接経費150万円は、新教材「スコットランドの魅力(仮題)」の現地動画撮影のための渡英費用、教材のプログラミング、CD-R製作費、報告書の作成、成果の発表のための学会出張費等に使用する予定である。
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