研究課題/領域番号 |
17K02933
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
清原 文代 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (90305607)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中国語 / ICT |
研究実績の概要 |
1.研究代表者の担当する中国語クラスに聴覚や文字を読むことに困難のある学生がいたため、ICTを活用して合理的配慮を中国語クラスで如何に行うかという新たな視点を得て研究を行った。Learning Management Systemを通じた学習コンテンツの提供など、普段の授業における情報保障の延長線上に合理的配慮に基づく情報保障はあると言える。合理的配慮に用いられるICT技術、例えばディスレクシアの学習者のためのテキストのハイライト同期した合成音声による読み上げ等は、読みに困難を覚えるという点では中国語の入門段階における学習者も同様であり、有効であると考えられる。 2.日本中国語検定協会が主催する中検フォーラムにおいて中国語教員を対象に「中国語教育におけるICTリソースの利用 」と題した招待講演を行った。 また、神谷健一科研(17K02956)主催によるシンポジウム「FLExICT Expo 2019 外国語教育・ICT・Active Learning・Classroom Tipsの融合」に共催として参画し、「中国語教員のための ICT 活用術入門」と題したセミナーを開催した。セミナーの中ではICTの利活用に苦手感を持つ教員を対象として、スマートデバイスの設定方法及び利活用方法、更に昨今急速に性能を上げつつある機械翻訳アプリの現状と教育現場における利用などについて実演を交えつつ紹介した。具体的には以下の6項目である。 (1)iPhone・iPad の中国語入力を設定する(2)Android 9/10 の中国語入力を設定する (3)iOS13/iPad13 の合成音声読み上げ (4)iOS13/iPadOS13 の内蔵辞書 (5)iPhone・iPad で使う中国語辞書アプリ (6)機械翻訳サービス
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していなかった中国語の授業における合理的配慮に関する研究を進めたため、ICTを活用した教案及び資料集が完成しなかった。また当初2020年3月に中国語教員を対象としたワークショップを開催することを計画していたが、新型コロナウィルスによる肺炎感染防止のため、開催を中止せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
多くの大学で新型コロナウィルスによる肺炎感染防止のためオンライン授業が実施されており、それを踏まえた上で中国語教育においてICTを活用するための教案、資料集の完成をさせ、Web上で公開する。 新型コロナウィルスによる肺炎が終息すれば、国内数カ所で対面のワークショップまたは研究会を開催するが、終息しない場合はオンライン会議システムを使用してインターネット上でワークショップを開催し、その際に収録した動画を公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:3月に予定していたワークショップが新型コロナウィルスによる肺炎完成防止のため中止になったため。 また、ICTを活用した中国語教育のための教案の執筆が完了せず、中国語母語話者の校閲を受けることができなかったため。 使用計画:(1)ICTを活用した中国語教育のための教案を完成させ、中国語母語話者の校閲を受ける。(2)教案を及び資料集を掲載するWebサイトを作成する。(3)新型コロナウィルスによる肺炎が終息した場合は国内数カ所でワークショップを開催する。(4)新型コロナウィルスによる肺炎が終息せず対面でのワークショップの開催が不可能な場合は、オンラインで開催する。Zoom等のオンライン会議システム使用料の支払い、及びオンラインワークショップを収録した動画を編集するためにパソコンを購入する費用に充てる。
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備考 |
FLExICT Expo 2019 発表予稿集 https://flexict-expo-2019.jimdofree.com
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