2022年度の成果としては以下の2点の論文である。「中国語オンライン授業のためのリソース 」(『中国21』 Vol.58)では、代表者がこれまで授業で利用してきたWebサイトやアプリケーションのうち代表的なものを紹介した。「初級中国語のオンデマンド授業-学生が一人で学び続けるための教材と学習サポート- 」(『コンピュータ&エデュケーション』53号)では2020年度に勤務先で実施した非同期型オンライン授業の内容、及び2019年度の対面授業と20220年度のオンライン授業に対する学生の自己評価に基づいた学習効果について述べた。 本科研はコロナ禍の影響を大きく受けて、研究計画を変更した上で研究期間を延長している。2017年度の研究開始当時はICTの利活用に関する資料集と授業案の作成を目標として研究を開始した。2018年度は現場の教員にICT利活用の実例を示すため、ICTの利活用をテーマとしたワークショップや研究会で講演を行った。2019年度は引き続きセミナーで講演を行うと同時に、授業で聴覚障がい学生に対する合理的配慮を行ったことを通じて、ICT利活用の有効性を再確認した。2020年度、2021年度はコロナ禍に見舞われ、各大学でオンライン授業が一斉に始まり、これまでICT利活用に積極的ではなかった教員も取り組まざるを得ない状況となった。それに対応して中国語教育におけるICT利活用をテーマとして、2020年9月より2022年3月までほぼ月に1回の割合でオンラインセミナーを開催した。2020年度から2023年度にかけて実施した計23回のオンラインセミナーの延べ参加人数は1437名であった。また2023年3月には急速に使用者が増加中である生成系AIのChatGPTについてLET電子語学教材開発研究部会で発表を行った。
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