研究課題/領域番号 |
17K02934
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岩井 千春 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (90411389)
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研究分担者 |
岩根 久 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (50176559)
岩田 聖子 追手門学院大学, 基盤教育機構, 語学常勤講師 (80771394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 苦情対応 / アンケート調査 / 談話完成テスト / 日英比較 / 語用論 |
研究実績の概要 |
日英比較による苦情対応のについての量的研究―アンケート調査と談話完成テスト(Discourse Completion Test)を日米で実施し、分析を開始する 1. アンケート調査の質問内容の設定: 苦情対応の事例と対応方法、そして、苦情対応に関する意識を日本と(英語母語国の)アメリカで調査するため、質問内容を作成した。質問の形式は選択と記述の両方を採用し、調査実施前には接客業務の経験がある、日本人とアメリカ人の協力者にパイロット調査を行い、質問紙の完成度を高めた。 2. 談話完成テストの質問内容の設定:アンケート調査と同時に、日本とアメリカで実施する談話完成テストの内容を作成した。談話完成テストは特定の状況(本研究では苦情対応)での具体的な発話内容を調査するものである。本研究では、談話完成テストの中で使用する苦情の状況を設定するために、頻繁に発生するタイプの苦情を研究し、更に、談話完成テストの協力者が答えやすい苦情の状況と質問を設定した。回答協力者に回答方法をわかりやすく示すために、最初に例題と答えの例を提示した。また、前項のアンケート調査と同様にパイロット調査を行い、質問内容の完成度を高めた。 3. 日本とアメリカでアンケート調査と談話完成テストの実施:アンケート調査と談話完成テストともに、調査方法はインターネットを利用し、両調査ともに日米で調査対象者を接客業で苦情対応を経験した者に限定し、その上で各国で300を超える有効回答数を得ることができた。 4. 分析(分析は30年度も実施): 前項までの調査データを分析している。アンケート調査の記述式回答や談話完成テストの回答はカテゴリー化して、日本人とアメリカ人の語用論的パターンを分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度の研究計画(アンケート調査の質問内容の設定、談話完成テストの質問内容の設定、日本とアメリカでアンケート調査と談話完成テストの実施、データの分析)は、計画通りに進行した。データの分析は当初の計画時から来年度も行う予定であるので、引き続き行うが、来年度は、特にテキストマイニングでデータの分析も進めて行く。また、29年度は本研究の遂行時に行った文献研究を元に論文も執筆し、研究成果の発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
29年度のデータの分析を継続し、更に、日米で苦情対応についての質的研究 (ロールプレイとインタビュー調査) を実施する 1. 前年度のアンケート調査と談話完成テストのデータ分析をテキストマイニングを使用しながら更に進める。 2. 日本人とアメリカ人へのロールプレイの実施: 談話完成テストの調査結果を補完・充実させるため、語用論研究で広く使用されているロールプレイを調査に取り入れる。 3. 日本とアメリカの苦情についてのインタビュー調査: 実際の接客で行われている苦情対応の方法 (事例) をインタビューで調査する。 4. 前年度の研究結果を学会で発表するなど、研究成果を公開する。
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