研究課題/領域番号 |
17K02934
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岩井 千春 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (90411389)
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研究分担者 |
岩根 久 大阪大学, サイバーメディアセンター, 招へい教員 (50176559)
岩田 聖子 追手門学院大学, 基盤教育機構, 大学常勤講師 (80771394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 語用論 / 苦情対応 / ESP / 国際比較 / 教授法 |
研究実績の概要 |
1. 前年度に開発した苦情対応のためのESP教材を教育に応用 これまでの研究成果に基づいて、前年度に作成した苦情対応のためのESP教材を教育に応用した。研究計画書では、通常の対面授業を想定していたが、コロナ禍でオンライン授業の重要性が益々大きくなる状況に鑑み、当初の研究計画を発展させ、教材をオンライン授業に応用した。本研究の英語教育では、単に苦情対応のESPとして必要な語彙や表現を習得するだけでなく、英語で苦情対応する際に必要なスキルを養うことを目的とした。IT技術とグループ活動を応用し、更に、アクティブ・ラーニングを取り入れ、学習者が主体的に学習に取り組めるように工夫し、オンライン授業での効果的な教授法を開発している。研究授業では、学生役の研究協力者 (以降は学習者とする) 9名にiPadを使用しながらZoomで授業に参加してもらい、ブレイクアウトルーム機能で3人でのグループ活動 (3グループ) を行った。課題の提出には、ロイロノートスクールというアプリを使用し、学習者が簡単に課題を提出することを可能にした。また、LINEアプリのオープンチャット機能を使い、学習者とのコミュニケーションを取りやすくした。更に、研究授業の前後のアンケートや、授業終了後のインタビュー調査を行い、教材や教授法の効果を検証した。学習者からは、苦情対応という教材のテーマが興味深いこと、また、日本とアメリカの苦情対応の違いについて学べたこと、更に、グループワークでの活動で学習者同士が学び会えたことも評価された。 2. 研究成果の公表 研究成果について、日本英語コミュニケーション学会の学会誌と日本ホスピタリティ・マネジメント学会の学会誌で各1本の論文を発表した他、大学英語教育学会第59回国際大会 (2020年12月5日) で研究発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの本研究課題の成果として開発した教材を使って、教授法を開発し、効果を検証した。コロナ禍での教育環境の変化に鑑み、当初の研究計画を拡大し、オンライン教育での教材の応用に研究を発展させた。更に、日本英語コミュニケーション学会の学会誌と、日本ホスピタリティ・マネジメント学会の学会誌で各1本の研究論文を発表するとともに、大学英語教育学会第59回国際大会で研究発表を行い、研究成果の公表にも注力した。以上の研究活動はほぼ計画通りであり、おおむね順調に研究を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から得られた研究データの分析や考察を更に進めるとともに、研究成果の発表も引き続き活発に行っていく。また、2020年度に行った研究授業での教材の応用と教授法の開発に関する研究に基づき、教材の改訂を更に進め、苦情対応を英語で行うための教材として、学習者が使用しやすく、苦情対応のスキルを効果的に身につけられる教材にしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの感染状況により、予定していた大学英語教育学会・全国大会での研究発表がオンラインで実施され、旅費が必要でなくなった。2021年度は、この予算を活用し、これまでに得た研究データの分析や考察を進め、研究成果の公表に使用したい。更に教材開発の研究を発展させ、教材の改訂を行う予定であるので、その際の予算としても役立てたい。
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