研究課題/領域番号 |
17K02944
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
金子 利雄 日本大学, 薬学部, 教授 (20185929)
|
研究分担者 |
E・M Skier 日本大学, 薬学部, 准教授 (90339101)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 薬学英語 / 英語コミュニケーション |
研究実績の概要 |
2018年度の研究計画に則り、英米両国の薬学教員との面談、病院、薬局、ドラッグストアーの実地調査を行い、薬剤師に必要な英語に関する情報を収集した。この度の訪問国を米国だけでなく英国を加えたことは、薬の名称、薬事法が同じ英語圏であっても国により異なるためである。日本の英語教育は米国英語に傾倒しがちであるが、グローバルな視点から英語教材を作成するためには、意義のあることと思う。具体的には、8月1日、南カリフォルニア大学薬学科の教授と面談をし、ロサンゼルス市内のコミュニティー薬局、病院薬局を訪問した。8月7日、チャップマン大学薬学部の教授と面談、オレンジカウンティーのドラッグストアー、病院、コミュニティー薬局を訪問した。8月12日、英国ポーツマス大学薬学科の教授と面談をし、ポーツマス市内のドラッグストアー、コミュニティー薬局、Winchester市の病院、ロンドンの王立薬剤師会(RPS)、小野薬品工業ロンドン支店を訪問した。実地調査では、学生の進路先を考慮して、薬局、病院、製薬会社、大学、薬剤師会を調査対象とした。 10月13日、2017年度に行った日本国内の私学薬科系大学を対象とした英語教育に関するアンケート調査の結果をもとに、ソウルSogang大学校にて開催された韓国応用言語学会(ALAK)国際大会において、"JAPE and English Education for the Six-Year Schools of Pharmacy in Japan"という題で学会発表を行った。薬学英語について日本から発表を行ったことが初めてということから、国際理解に貢献できたものと思う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年、日本私立薬科系大学における英語教育に関するアンケート調査は、日本大学薬学部倫理審査の許可を得て無事に実施することが出来た。回答は57校中31校(回答率54%)であった。このアンケートで得たデータをもとに、3月27日、金沢市もてなしドームにて日本薬学会第138大会で、「英語コミュニケーション教育の現状と課題ー科研研究によるアンケート調査を基にしてー」という題でポスター発表を行うことが出来た。 2018年8月、米国南カリフォルニア大学薬学科、チャップマン大学薬学科の教授と薬剤師に必要なコミュニケーション(英語)について助言をいただき、ロサンゼルス市内外の病院、コミュニティー薬局、ドラッグストアーを視察することが出来た。また、8月中旬から英国ポーツマス大学薬学科の教授からも助言をいただき、英米での英語の差異について学ぶことが出来た。 10月には、韓国応用言語学会(ALAK)国際大会で、日本の薬科大学での英語教育に関する口頭発表が出来たことは、今後、韓国との共同研究に繋がる可能性を得ることが出来た。 以上のとおり、本研究は、当初の研究計画どおりおおむね順調に進んでいると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年3月に教材開発のための打合せ会を行い、テキスト構成、内容に関するプレインストームを実施した。これをもとに、1章をサンプルとして作成し、全30章の構成・内容をもとに出版会社編集者と今後のタイムテーブルについて調整する予定である。具体的な構成・内容が決まり次第、研究協力者へ依頼する予定である。テキストは、2020年度はパイロット版を用い、1年使用しながら修正箇所を見つけ、2021年度に完成校正をもとに出版する予定である。 2020年3月に開催される日本薬学会代140年会(京都)にて、本研究の成果を発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究計画に則り、英米両国の薬科系大学教員ならびにコミュニティー薬局、ドラッグストアー、病院での聞き取り調査を行った。当初の計画では研究代表者と研究分担者で調査に行く予定であったが、予算の関係により1名にその任を遂行してもらうこととした。次年度は最終年度であり、研究成果として薬学生に必要な英語コミュニケーション能力に資する教材を開発する計画である。30章からなる教材は、出版社の協力のもとパイロット版を作成に、翌2021年に出版し全国の薬科系大学の英語教育に寄与する計画である。そのための出版費用として研究費を残しておくこととした。
|