研究実績の概要 |
2019年度は英語時制・相と時間副詞との関係について実践授業とWEBによるテストを行い、自らの教材の優位性を統計的に証明し、ハワイにおいて学会発表を行った。また、相と法助動詞の関係については、コーパス調査を実施して、その結果を大学紀要に論文としてまとめた。 「研究の目的」:類型化された動詞と副詞の文の階層構造における統語上の共起性について日本語と英語の類似点や相違点を検証し、認知言語学におけるグラウンデイングを取り入れた教材と教授法の開発を目指す。日本語では「~ている」が単純相、進行相、完了相、結果相を示す可能性があるのに対し、英語では動詞の類型により、いわゆる「進行形にならない動詞」が存在する。認知言語学では、動詞を「完了の動作」(Perfective Process)と「未完了の動作」(Imperfective Process)に分けて考えており、進行形にならない動詞および通常では進行形にならない動詞であるが、場合によって進行形になることの説明にも、この類型化は有用であると考えられる。また、副詞に関しては、英語時間副詞の中でもstill, yet, alreadyは日本語で「まだ」「もう」に訳されるが、「まだ」は肯定文ではstill, 否定文ではyetを用い、「もう」は平叙文ではalready, 疑問文ではyetを用いるなど、学習者は混乱しやすい。2019年度の研究では、still, yet, alreadyの基本的な意味を吟味して、時間軸と3つの副詞の関係を動画教材で表し、量的な研究によって、その優位性を証明した。そのことから、今年度の研究の目的を達したと考える。
「研究実施計画」:英語副詞と過去時制(単純相・完了相)の実践授業を行い、分析結果を学会で発表するとの研究実施計画を立てていた。しかしながら、現在形の教材作成に手間取り過去形までは実施できていない。
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