第二言語習得でも普遍文法が働いて言語習得が行われるのか、あるいは、普遍文法は働かずに一般的な問題解決能力のみが働くのか。この問題は、1990年代に盛んに議論された問題であり、現在も論争が続いている。本研究では、第二言語習得において普遍文法が働く場合と働かない場合があると主張する。普遍文法が働く場合、第二言語習得では母語習得と同じメカニズムで言語習得が行われる。普遍文法が働かない場合、第二言語習得では母語の影響も受けず、学習者が一般的認知能力で第二言語を理解する。本研究は今まで議論されてきた問題の解決に貢献できる。また、「照応表現の解釈」についての第二言語習得研究データの提供が可能となる。
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